シラクサの見どころ・オルティージャ島編
町の見どころは、古代ギリシャ遺跡が残る遺跡エリアと小さなオルティージャ島(旧市街エリア)。アレトゥーザの泉やアポロ神殿もありますが、陸地と橋で結ばれたオルティージャ島には、海沿いの気持ちのいいカフェや可愛らしいリストランテなど、立ち寄りたいスポットも集中しています。島の中心はドゥオーモ広場。バロック様式の荘厳なファザードが見下ろす広場は、シチリア人の特性をとってもよく描いている(と私が思う)映画マレーナの撮影にも使われました。大聖堂ドゥオモはバロック様式ですが、元になっているのは紀元前5世紀頃に造られたアテネ神殿。ドゥオモ内にはドーリス式の列柱も見ることができます。
17世紀にヴァル・ディ・ノート界隈を襲った大地震により壊滅状態になったシラクサですが、当時流行していたバロック様式で見事に再建を果たしたシラクサの旧市街(オルティージャ島の迷路のように入り組んだ細い路地の両側)には、当時のバロック様式の建物が今も当たり前のように並んでいます。シラクサは、「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々のひとつ」としても世界遺産登録されています。
また、オルティージャ島に入って左手方向には、青空市場もあります。地中海からあがる新鮮な魚介……見たことあるようなないような(?)魚の種類も豊富で見学するだけでも楽しい。チーズなどの食品も並んでいます。
細い路地を歩きながら、気づけば海に出ている……そんな散歩が楽しいのがオルティージャ島。夕日に染まるピンク色の海を眺めながら、海沿いのカフェでひと休みしたり、オレンジ色にライティングされた小道に現れる小さなリストランテに立ち寄ってみたり。特に夕方から夜にかけてのお散歩が特にオススメです。
シラクサの見どころ・小話編
シラクサの守護聖人はサンタ・ルチア。紀元後4世紀頃に古代ローマ軍の兵士によって迫害、喉に刀剣を突き刺され、そして両目をえぐり出されて殉教したと言われています。目をくりぬかれた後も光を見ることができた(?)とも言われ、聖ルチアは「眼病の聖人」としても知られています。ルチアは、光の意味があるラテン語のルクスが語源。光量を表す単位ルクスも同じ意味です。ドゥオモには、聖ルチアのシンボルともいえる「両目を乗せた銀の皿と短剣」があります。この両目を乗せた銀の皿が不思議……な図で、まるで火星人? ドゥオモにお寄りの際は、この図を見つけてみるのも一興です。また、カラヴァッジョによって描かれた「聖ルチアの埋葬」(聖ルチアさんが刺されたシーンを描いたもの/聖ルチア聖堂)も合わせて見学してみるのもオススメですよ。
ナポリ民謡の「♪サンタ~・ルチア~」は、この聖ルチアです。ナポリ出身ではないんですね。シラクサは、アルキメデス同様、実は誰もが知っている有名な人物の出身地でもあるわけです。