今回は住戸ごとの性能・品質について見てまいりましょう。
「各住戸」の評価結果はその住戸の位置する階数や間取りにより内容は一つ一つ異なります。必ず購入したい住宅の性能評価書を見せてもらってください。
火災時の安全:避難のしやすさ
火災時に身の安全を確保する為には様々な対策が考えられますが、ここでは「安全な避難」「延焼を止める対策」について評価しています。添付した図をクリックして拡大して図を見ながら読み進んでいって下さい。【図3】の2-1「自住戸火災」とは、その対象住戸で火災が発生した時に、その火災をどのように感知する警報システムが入っているかを示しています。このモデルでは「最高等級4」を取得していますが、「火災がどの部屋で発生しても感知器が連動して住居全体に音響装置で警報が鳴る警報器」を導入しています。ここでは火災の感知ができる範囲と警報を聞くことができる範囲が広いほど等級は高くなります。
2-2「他住戸火災」とは、マンション内の他の住戸で火災が発生した場合に、火災をどう感知してどう警報するかを評価しています。火災の感知と警報が自動化されているほど、早く知らせてくれることになり等級が高くなります。このモデルでは「最高等級4」の警報装置が入っていることがわかります。
次に、2-3「避難安全対策」では、3階建て以上の戸建または共同住宅の2階以上を対象に、万が一共用廊下が使えなくなった場合の避難方法を明示しています。
Cの位置にある住戸が「その他」となります。
上記のように、「火災時に他の住戸の前を通らなければならない」場合のみになりますが、前を通る住戸の窓やドアから火が噴き出していたら避難ができなくなるため、廊下側の窓やドアの耐火性能を記すことになっています。このモデルでは「20分以上」となっており、この20分の間であれば、避難が可能であることを示しています。
2-4「脱出対策」では、共用廊下側からの避難が難しい場合の緊急脱出のための対策を示しています。このモデルでは「隣戸に通じるバルコニー」にチェックがついています。バルコニーが隣戸とつながっている平面計画になっており、緊急時には隔て板を蹴破って隣の住戸に避難することができます。
2-7「耐火等級(界壁及び界床)」では、上下左右の住戸との境の耐火性能が記してあります。鉄筋コンクリート造のマンションでは、壁も床も7センチメートル以上の厚さのコンクリート製のため、このモデルのようにほとんど60分以上の耐火性となっています。
それでは次にメンテナンスがしやすい造りになっているかどうかを示す「4.維持管理」の内容を詳しく見てまいりましょう。