駅開業からすぐにマンション開発がスタート、
当時の物件は今も人気
西口から見た戸塚駅。西口には2009年にスーパーやクリニックの入ったマンションができ、今後も開発が進みそう
横須賀線東戸塚駅が開業したのは1980年(昭和55年)10月(現在は湘南新宿ライン一部列車も停車)。地元からの1世紀に渡る請願の結果でした。そのため、地名としては東戸塚という場所はなく、駅東側は品濃町、平戸町、西口は川上町、前田町などとなっており、横浜市立東戸塚小学校も位置するのは戸塚駅の東。戸塚の東だから東戸塚となったわけです。
ニューシティ東戸塚開発の第一弾として誕生した南の街。複数棟からなり、駅から近いことで人気
駅開業の翌年から街のマンションを中心とした宅地開発が始まります。街全体の名称はニューシティ東戸塚。この名称の後に個別の物件名が付けられる形です。そこで一番最初に作られたのが1983年、駅東側、戸塚に向かう線路に近い場所に開発されたニューシティ東戸塚南の街です。
各棟の間にゆったりとられた贅沢な配棟計画と手入れの良さが印象的なニューシティ東戸塚パークヒルズ
続いて1984年には、光の街、東の街、1985年にはパークヒルズと建設されていくのですが、いずれも100戸超の規模があり、特にパークヒルズは1000戸近く。敷地をゆったりと公園のようにとり、両面バルコニーの広めの間取りなどが好評で、築20数年を超す今も中古、賃貸市場で人気となっています。
並木のある通りが多く、歩道もきれいに整備されている。両側の建物が前出のニューシティ東戸塚南の街
ちなみに当時建てられた物件のうち、駅から10分以内の物件は中古での坪(3.3平米)単価が110万円~160万円となっており、住戸によってはもっと高いことも。立地、プランニング、規模などのメリットが揃った物件は強いようです。
駅前の大規模商業施設で
街は大きく変わった
駅東口正面にあるオーロラシティ。ペデストリアンデッキの下はロータリーになっており、各方面行きのバスが発着する
東戸塚と聞くと、多くの人が駅東口からペデストリアンデッキでつながった大規模商業施設オーロラシティを思い浮かべることだと思いますが、この施設の工事が始まったのはニューシティ東戸塚の開発開始の17年後。開業は1999年(平成11年)です。
駅の反対側、環状2号線側から見たオーロラシティ。ダイエーにタワーマンションが見える
オーロラシティは西武百貨店などが入ったオーロラモール、専門店の入ったアネックス、ダイエー東戸塚店の3つのエリアから成っており、商業施設に混じって4棟のタワーマンションも建っています。商業施設の屋上には子どもの遊び場なども作られています。駅東側に関してはオーロラシティが駅と反対側で接する環状2号線とその周辺までが駅開業以降の開発エリア。西口では横浜新道までが目安です。
駅西口は駅前広場から一段上がってロータリーがあり、それを囲んでオフィスビル、マンション、商業施設に駐輪場などが並ぶ
オーロラシティ完成でニューシティ東戸塚の開発は一段落するわけですが、このエリアは準住居、準工業などの大規模なマンション建設が可能なこともあり、その後も数百戸規模のマンションが続々登場。街の風景を近代的に変えてきました。
●東戸塚周辺の位置関係図
東戸塚駅と周辺の幹線道路などとの位置関係概念図。距離、位置などは正確ではない
歩道の緑、桜の公園など
自然が残された街並みも魅力
西口側では農地も残され、月に1度は農産物を中心にした朝市も開かれている
といっても、計画的に作られてきたため、歩道の並木、公園と緑が多いのが特徴。特に東口に比べると、やや開発が遅かった西口では敷地内に畑のある農家や竹林なども残されており、駅から少し離れただけでかつての街の様子が想起できます。西口側には横浜新道以遠に戸塚カントリークラブ、横浜カントリークラブと言ったゴルフ場もあります。
左は桜の名所として有名な品濃中央公園。歩道の並木がきれい
実際に街を歩いてみると、子どもの姿が多いのが印象的。教育熱心な家庭が多いのでしょう、駅周辺には進学塾、予備校なども目に付きました。また、駅開業当初はいかにも「植えました」という感じだった並木や公園の桜がしっかり成長、落ち着いたたたずまいになっていました。ただ、子ども同様に高齢者の姿も増えており、高齢者用の施設もずいぶんと増えています。
続いては、
東戸塚の住宅事情を見ていきましょう。