大ブレーク中のアウディ、その中核モデルだからおいしい
デザインをまとめたのが当時アウディにいた和田氏。だからなのか日本人のツボを押さえている感じのデザインです。ライバルたちよりいち早く大型化しているので、居住空間に不満なし。後席も見た目以上に快適に過ごせます
現行A6がデビューしたのは2004年7月。今ではアウディのアイデンティティの一つである「大きく開いた口」(シングルフレーム)に、クーペかよと思えるほどなだらかに流れるリアルーフのデザインをまとい登場しました。特にシングルフレームは、現行の全アウディ車が備えるアイコンですから、中古車で買ったとはいえ誰もが「あ、アウディですね」と言ってくれるでしょう。これもアウディの知名度がまだそんなになかった頃なら「何ですか、この車?」だったかも知れませんが、これも人気ゆえの役得です。
トランクはFFとクワトロモデルとも同容量で546L。これで十分ですが、後席を倒してさらに広げることも可能です。横滑り防止装置であるESPを備えるほか、雨天時には自動的にブレーキデスクを乾かせる装置まで備わります
その意味では、A6はアウディ100が元祖のアッパーミドルクラスセダン。ぽっと出のA5やA7スポーツバックとは違うと言っておきましょう。ライバルはメルセデスベンツならEクラス、BMWなら5シリーズ。つまり大切な中核モデルです。発売当初に搭載されたエンジンは2.4Lと3.2LのV6、4.2LのV8の3タイプで、2.4LにはCVT、3.2Lと4.2Lには6速ATが組み合わされています。駆動方式は2.4LモデルがFFで、それ以外がクワトロ(4WD)。
同年式の旧型Eクラスや5シリーズよりは中古車価格が高め。人気が高いという裏付けでもありますが、それでも100万円台からアウディの中核モデル、それも(多少年式が古いとはいえ)現行型が買えるとなれば、私は十分おいしいと思います。何も「他より安い」だけが、おいしい中古車ではありません。次ページでA6の魅力をさらに見ていきましょう。