茶店も充実の兼六園
いろいろな土地や名所を訪れた時、食事や買い物も大きな楽しみのひとつ。金沢を代表する兼六園には金沢の食や伝統文化、お土産が充実した茶店があります。加賀藩のお殿様・前田家のお庭だった兼六園が一般開放されたのは1874年(明治7年)、廃藩後のことでした。それに合わせて、園内にも数多くの茶店ができました。その後、時代の流れとともに数が減り、近年は14店舗が営業を続けていました。
花見の時など地元民にも欠かせない存在になっている茶店ですが、残念なことに去年(2010年)から閉店が相次ぎました。石川県の条例で親族しか継げないことになっていて、後継者がいないため閉店となったのです。
特別名勝・兼六園であるがゆえに、何かとしばりも持ち合わせた茶店ですが、古いものを大切にしながらも時代の流れをとらえながら力強く営む人々の姿がそこにはあります。
茶店を楽しむ
兼六園には現在12の茶店があります。基本的にはお土産の販売とお食事の提供ですが、お店によって特徴はそれぞれ。このうちいくつかをお店の一押しと合わせてご紹介しましょう。また、茶店の位置は金沢城公園の間の「お堀通り」を挟んで石垣の前にあるグループと兼六園の中にあるグループに分かれています。
■兼六園三芳庵(みよしあん)
兼六園発祥の地とされる瓢池(ひさごいけ)のほとりにある三芳庵は、「夕顔亭」(国の重要文化財・園内で最も古い建物で茶室)、「水亭」、数年前まであった「別荘」の3つの建物にちなんで命名されました。芥川龍之介や皇族の方々が訪れたりと魅力あふれる場所です。創業は1875年(明治8年)。
3代目にあたる先々代が料理人で加賀料理の研究家だったという三芳庵の一押しは、瓢(ひさご)弁当(2100円)。お昼のメニューで加賀料理がつまったお弁当です。暮れから2月上旬にはかぶら寿司も入ります。お殿様も眺めたであろう風流な池の景色と瀧の音を聞きながら、贅沢な時を過ごせます。お抹茶とお菓子もおすすめです。
住所:金沢市兼六町1-11
TEL:076-221-0127
営業時間:(夏期)9:00~17:00
(冬期)9:00~16:30
※10名以上で予約があれば21:00まで営業 予算は6500~
定休日:水曜(予約または祝日などが重なれば前後する)
地図:Yahoo!地図情報
■城山亭(しろやまてい)
昭和30年代に創業し現在は2代目。一番最後に兼六園の茶店に仲間入りをしました。近くにお城と山があったので「城山亭」と名づけられました。 金沢城の高い石垣がかつてお堀だった通りを挟んで、店のすぐ前に広がります。
一押しは、治部煮(800円)。治部煮は金沢の郷土料理で甘辛い濃い味の煮物。わさびを入れて食べるのがみそです。治部煮うどんや定食もおすすめです。
住所:金沢市兼六町1-13
TEL:076-221-6848
営業時間:(夏期)8:30~17:00
(冬期)9:00~17:00
※予約申し込みが有る時は時間外営業有
定休日:不定休
地図:Yahoo!地図情報
■清水亭
昭和初期に創業し、現在は3代目。 霞ヶ池のほとりにも売店があります。
一押しは前田のお殿様にあやかって名付けられた「出世だんご」で現在は「兼六だんご」(400円)と呼ばれています。
おもちが大好きなおかみさんが作る団子は、コシヒカリの粉を使ったこだわりの団子。普通の味とヨモギ味の2種類をきなこを混ぜた砂糖でいただきます。
住所:金沢市兼六町1-14
TEL:076-221-4963
営業時間:(夏期)8:30~17:30
(冬期)8:30~16:30
定休日:無休
地図:Yahoo!地図情報
■堤亭(つつみてい)
1888年(明治21年)創業で現在は5代目。 茶店が並ぶ通りの中ほどにあります。
お店の一押しは治部煮うどん・そば(各950円)。ここでは、鉄鍋でぐつぐつ煮ながらあつあつをいただきます。
また、甘味も充実しています。お団子やかき氷など種類が豊富で選ぶのに迷ってしまいます。自家製の梅シロップを使った商品も人気です。
住所:金沢市兼六町1-15
TEL:076-221-2387
営業時間:(夏期)8:30~17:00
(冬期)8:30~17:00
定休日:無休
地図:Yahoo!地図情報