マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

住宅性能評価書の見方(1)表紙と住棟評価(3ページ目)

震災を経験してこれからの住まい選びは「耐震性」や「防災性」など安全・安心がポイントになってきます。それらの見極め方として「性能評価付き住宅」があります。今回は3回にわたり性能評価書の中身を確認する方法をお伝えします。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

維持管理のしやすさ

建物の維持管理のしやすさが分かるのが「4.維持管理への配慮」です。4-2「共用配管のメンテナンスのしやすさ」では、このマンションの共用配管の清掃・点検・及び補修が簡単にできるような工夫がどの程度されているかを記しています(【図3】)。

 

【図3】住棟全体の評価で維持管理のしやすさを示す部分(クリックで拡大)。

【図3】住棟全体の維持管理のしやすさを示す部分(クリックで拡大)。

図中4-3「更新対策」では共用配管の取り替えが簡単にできる対策が取ってあるかを示しています。ここは、とても大切な部分です。なぜなら、給排水管などの設備配管は、コンクリート躯体よりも早く寿命を迎えます。この設備配管類が取り換えにくい造りになっていると、結局躯体ごと解体せざるを得ず、建物の寿命が短くなる可能性が高くなるからです。

このモデルでは共用排水管立管が「共用廊下に面する共用部分に設けられている」と明示されているので、将来的に取り換えを行いやすい造りになっている、と判断できます。

この「住宅性能評価書の見方(1)」では、表紙のチェック事項と住棟全体の性能の読み取り方を解説しました。引き続いて「住宅性能評価書の見方(2)では各住戸にスポットを当てて避難のしやすさやリフォームのしやすさ、「住宅性能評価書の見方(3)」では省エネ性、シックハウス対策、窓の大きさ、バリアフリー性、防犯性などを解説いたします。

【関連サイト】
財団法人ベターリビング

【関連記事】
住宅性能評価書の見方(2)避難とメンテナンス
住宅性能評価書の見方(3)省エネ、高齢者、防犯


 

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