マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

住宅性能評価書の見方(1)表紙と住棟評価(2ページ目)

震災を経験してこれからの住まい選びは「耐震性」や「防災性」など安全・安心がポイントになってきます。それらの見極め方として「性能評価付き住宅」があります。今回は3回にわたり性能評価書の中身を確認する方法をお伝えします。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

地震などに対する強さ

下に添付した【図2】は「住棟全体」の性能を示しています。クリックで拡大して評価書の内容を確認しながら読み進めてください。

そのマンションがどのような耐震性を持っているかは「1.構造の安定に関すること」の部分でわかります。図中1-3「その他」の部分で免震建築物のところが黒く塗りつぶされています。従って、この建物は免震構造でできており、かつ建築基準法にのっとった「免震構造」であると評価しています。

1-4「耐風等級」は風に対する強さを表し「等級1」となっています。ちなみに等級1とは建築基準法のレベルを満足していることになります。

1-5「耐積雪等級」の部分は「該当区域以外」にチェックがついています。雪の降らない地域ではこのモデルのような評価になります。

 

【図2】地震などに対する強さ、火災に対する安全性、耐久性能などが分かります(クリックで拡大)。

【図2】地震などに対する強さ、火災に対する安全性、耐久性能などが分かります(クリックで拡大)。

1-7「基礎の構造方法及び形式等」の部分では、建物の基礎の種類と形式などが記入されています。このモデルによると、このマンションは「杭基礎」で、支持地盤まで打ち込まれる「支持杭」が採用されています。また、杭径や杭長も確認することができます。 

火災に対する安全性

「2.火災時の安全性」では、そのマンションが火災に対しどの程度強くつくられているかを確認できます。具体的には延焼を受けやすい隣地や道路から一定以内にある壁や窓の耐火性を表しています。窓は20分以上、壁は60分以上の耐火性がある事が記されています(【図2】参照)。ここでは住棟全体の評価を行っています。

耐久性を示す項目

建物躯体がどれだけ長持ちする仕様で建てられているかどうかの判断は「3.劣化の軽減」で分かります(【図2】参照)。このモデルでは、3-1「劣化対策等級」で「等級3」のチェックボックスが黒塗りになっています。等級3は劣化対策の中では最高等級で、通常のメンテナンスを行えば3世代(おおむね75~90年)くらいの耐久性があるということを示しています。

次のページで住棟の共用配管のメンテナンスのしやすさを見てみましょう。

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