マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

住宅性能評価書の見方(1)表紙と住棟評価

震災を経験してこれからの住まい選びは「耐震性」や「防災性」など安全・安心がポイントになってきます。それらの見極め方として「性能評価付き住宅」があります。今回は3回にわたり性能評価書の中身を確認する方法をお伝えします。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

自分の目で品質を確認して購入する時代へ

耐震性や防災性を自分自身の目で確認して購入する時代へ

耐震性や防災性を自分自身の目で確認して購入する時代へ

未曾有の大震災を経験し、住宅の選び方に大きな変化が訪れています。これからの住まい選びは「立地」「価格」重視から、耐震性をはじめとする「安心・安全」が重視される時代になります。建物の耐震性や地盤の強さ、基礎構造、火災に強いかどうかは要チェックポイントです。

それらの性能が分かりやすく評価されているのが「住宅性能評価書」です。性能評価付き住宅を選べば、性能評価書にわかりやすく性能、グレードが表示され、一目でわかります。

これからはご自身でマンションの性能を確認して購入される方が増えると思います。今回は一般の方でもチェックできるよう、書類のモデル(見本)を使って「設計住宅性能評価書」の見方を3回に分けてお伝えいたします。

住宅性能評価書とは?

住宅性能評価を受けた住宅のみこのマークをつけることができる。上が設計性能評価、下が建設性能評価。

住宅性能評価のマーク。上が設計性能評価、下が建設性能評価。

広告などで右のようなマークを見かけたら、それは住宅性能評価を受けた住宅です。このマークがついた住宅を選べば、性能評価書を見て住まいの性能をチェックすることができます。

購入したい住宅(住戸)が決まったら、モデルルームなどで性能評価書を見せてもらい、ご自身の目で内容を確認してください。性能評価書に記載されているのはそのマンション全体の耐震性やメンテナンスのしやすさ、火災への強さなど「住棟全体」に対する評価、その次に個々の住戸ごとの「火災時の避難方法」「省エネ性」「バリアフリー対応」「防犯性」など10分野で、等級や数値で表されています。

性能評価書には「設計性能評価書」と「建設性能評価書」がありますが、マンションなどでは建物の完成前(建設中)に売買契約を結ぶことも多く、その場合は「設計性能評価書」で判断することになります。今回はこの「設計住宅性能評価書」の見方とチェックポイントを見てまいりましょう。

設計住宅性能評価書の表紙とチェックポイント 

これから添付する性能評価書の見本は、性能評価機関でもある財団法人ベターリビングが実際に使用しているものです。評価等級と一緒に等級の説明が掲載されており、とても分かりやすい書式です。評価機関によってはもっと簡素化された評価書もあります。

さっそく設計住宅性能評価書の表紙のチェックポイントを見てみましょう(【図1】参照)。

■H-1
性能評価のマークを確認。このマークがついていれば「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいた性能評価を受けている証になります。
■H-2
マンションの物件名をみて、購入予定のマンションの性能評価書であることを確認します。
■H-3
購入したい住戸の評価書か確認します。マンションでは、住戸の階や位置によって個々の住宅の評価内容が異なってきます。「購入したい住戸」の性能評価書を見せてもらいましょう。
 

【図1】設計性能評価書の表紙

【図1】設計性能評価書の表紙(クリックで拡大)

それでは次のページでは、マンション全体に関わる(住棟)部分の性能評価を解説します。

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