メニューは日替わり
チュレタと呼ばれる薪焼きのLボーンステーキが名物の一つ
さて、その日のコース内容ですが、朝の仕入れの時に初めて決まります。つまり、シェフはその日手に入れることができた、出来るだけ新鮮な素材からイメージを膨らませ、コースを組み立てられるので、コースはひとつだけですが、毎日そのメニュー構成が異なるのです。つまり日替わり。
以下はランチ・ディナー共通メニュー・デギュスタシオン(8.662円税サ込)の一例です。
・トウモロコシ
とうもろこし
まず一品目は、トウモロコシのスープ。味わい的にはスープというよりトウモロコシ汁(ジュース)のようで、素材の味がストレートに楽しめます。最近は甘いだけのトウモロコシを使った極甘スープが多いですが、このスープは甘味はあるけれど、それ以上に「素材の味」が勝っているんです。
つまり、トウモロコシの「甘さ」よりも、「トウモロコシらしさ」を際立たせた仕上がりで、シェフの言う「素材を丸裸にする」という意味を、このスターターで垣間見ましたね。次からの料理にも期待が膨らみます。
・バターと野菜
バターと野菜
続いて登場したのは、薪焼き料理とは思えないような華やかな一皿。一見しただけではフレンチのようですが、こういう盛り付けのセンスに、シェフのポテンシャルの高さがキラッと光ります。
バターはもちろん手作りで、ここにスモーキーな薪の香りを付与させた逸品。その滑らかな舌触りと共にフワリと馨しい熾き火(ブラサ)のブーケが寄り添い、何とも不思議なテイストになっているのです。バターに塗したパン粉のアクセントもいいですね。
さらに、野菜も熾き火で軽く火入れされており、こちらも薪焼きの魅力が発揮されています。野菜は関西最高と名高いGGファーム(カセントでもお馴染みの野菜農家さん)の無農薬野菜が使われており、その鮮度と質の高さも特筆物。
次ページでは、コース料理の続きをご紹介します。