転職のノウハウ/35歳以上の成功する転職活動

35歳以上の評価される転職理由とは?(2ページ目)

転職理由で注目すべきポイントは2つです。それは過去の退職理由と今回の転職理由です。人によって転職回数は個人差がありますが、過去の退職理由の傾向を見るとその人の働く意欲や何を不満に思いがちであるかなど、その人の価値観や就労観が見えてきます。現職の会社からの転職理由については、現在の役職や経験レベルに見合った正当な理由である必要がありますので、慎重に回答の準備をすることが大切です。

小松 俊明

執筆者:小松 俊明

転職のノウハウ・外資転職ガイド


キャリアアップは良い退職理由かどうか

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キャリアアップの中身が大切

では評価の高い退職理由について考えてみましょう。おそらく転職する人にとって一番多い転職理由が、「キャリアアップ」でしょう。ただし、最近は景気が戻りつつも、35歳以上の求人は不足しているため、実際はキャリアアップになるようなチャンスはあまりありません。それでも過去の転職理由であれば、堂々と「キャリアアップのため」という理由が使われていることが多いように思います。

ここで大事なのは、何がどうキャリアアップであったのかという点です。ただ給料を上げただけではキャリアアップと言うには弱く、かえってお金のために転職をしたという印象を与えてしまうでしょう。

大企業のシニアスタッフ(先輩格の社員)として働いていた熟練スタッフが、転職を機に小規模の会社に移り、マネジャーとして部下を持つことがあります。この場合、給料が上がったかどうかは大きな問題ではありません。

それよりも、ある特定の業務に熟練している経験を生かして部下の育成に取り組んだり、全体の成長戦略に責任を持つ挑戦をすることですから、これはまさにキャリアアップなのです。このような内容のキャリアアップであれば退職理由としても評価されることでしょう。

会社都合退職を隠す必要はない

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会社都合は簡潔に伝える

さて退職理由の中には、自分の意思で辞めたのではないケースもあります。自分の意思で辞めることを自己都合退職と言うのに対し、会社から退職勧奨を受けて辞めることを会社都合退職と言います。

会社都合退職には誤解がつきものです。というのも、会社都合退職とは退職勧奨のことであるため、会社から評価されなかったから無理やり辞めさせられたと勘違いする人がいるからです。

業績不振や企業の買収や合併などで、どうしても人員削減が必要な場合があります。特に人件費が高いベテラン社員はそのターゲットにされることがあります。

会社都合退職の場合、退職理由を簡潔に事実関係のみを伝えるのがベストです。「業績不振により管理職の削減が決まり、会社都合退職」「企業が買収を受けたことより、組織が統合され、役職が消滅したことによる会社都合退職」このような表現で十分でしょう。

「慰留されなかったから評価が低いと思われないか」「人員削減が決まったときに会社に残れる選択肢がなかったのは、能力がないと思われないだろうか」などの懸念は不要です。会社が人員整理をするときは複雑な状況があり、優秀な人材でも会社に残れないこともあるからです。

言うまでもありませんが、経験・スキル・実績が評価されることが大前提です。退職理由、転職理由が完璧であったとしても、経験・スキル・実績が評価されなければ、転職は実現しません。

せっかく経験・スキル・実績が評価されているのに、退職理由に関する不用意な発言を繰り返し、残念ながら辛酸をなめている人は多いのです。この点は本当に要注意です。書類選考や面接選考に臨む前に、入念な準備をして説得力のある退職理由、転職理由を作り込んでおくことをお勧めします。
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