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VOCALOID3が9月末に発売される(2ページ目)

VOCALOIDが4年ぶりのメジャーバージョンアップとなり、VOCALOID3が発売されます。すでに、いろいろなところに情報も出ていると思いますが、機能、音質が大きく向上するとともに、新キャラクタも数多く誕生する模様です。ここでは、そのVOCALOID3の概要について分かりやすくまとめてみました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

音質が向上し、より人間らしい歌声に

VOCALOID3

VOCALOIDの父、剣持秀紀さんによってVOCALOID3の歌声が披露された

では、VOCALOID3になると、どんなメリットがあるのでしょうか?その最大のポイントとなるのは、やはり音質の向上です。

実際、発表会の会場でVOCALOID3による音声を聴かせてもらいましたが、確かにVOCALOID2と比較してかなり自然な声で滑らかになっていることが実感できます。ほとんどベタ打ちで入力しても、それなりにいい感じに仕上がるのはなかなか驚きです。

もっとも人間の声との判別ができないほどかというと、そこまでではないのは確か。やはりボーカロイドっぽさは残っているのです。ただ、面白かったのは、今回日本語、英語だけでなく韓国語、中国語、スペイン語にも対応したのですが、外国語で歌わせた歌は、ほとんど人間の声と判別がつかないということ。もしかすると、母国語だけは、はっきりと違いを聞き取れるけれど、外国語では分からないレベルに来ているということなのかもしれません。

オーディオトラック、VSTプラグインもサポート

またVOCALOID Editorの機能も大きく向上しています。

最大のポイントはオーディオトラックを装備したという点です。このオーディオトラックにはステレオトラックとモノラルトラックが1つずつ用意されるのですが、ステレオトラックの目的は伴奏を入れる、ということ。つまり、DAWなどで作ったバッキングパートをここに入れておけば、まさにVOCALOID3 Editorだけですべてを完結させることができるわけです。

また完結させるという意味ではVSTプラグインをサポートしたのも大きなポイントです。予めリバーブなどいくつかのエフェクトが装備されていますが、自分でフリーウェアなどを追加することも可能。リバーブ、コーラス、コンプレッサなどを使って、ボーカルをよりよい音に仕上げていくこともできるし、伴奏を含めたマスターに対してエフェクトをかけることで、マスタリング的に使うこともできるわけです。

ただ、このオーディオトラックの追加に伴って、ひとつ重要な機能が消えるようです。そう、これまでDAWとの連携に用いられていたReWireがVOCALOID3 Editorではなくなるとのこと。個人的には、結構便利に使っていた機能なので、アップデートのタイミングでもいいので、復活させてもらえるといいなと思っています。

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