使いこなして、新しい時代のゲームを
ゲーマーとライトユーザーの両方の獲得を目指すWiiU。(イラスト 橋本モチチ)
さらに言えば、ニンテンドー3DSや先日発表されたWiiU、PlayStation Vitaなどの次世代機を考えた時、ゲーム業界は加速度センサー、ジャイロセンサー、タッチパネルやマイクにカメラと、あらゆる使えそうなデバイスを最初からハードに搭載する流れになっています。現行機においても、PlayStation3はPlayStation move モーションコントローラー、Xbox 360はKinectというように、周辺機器で対応していくという姿勢で臨んでいます。デバイスを取り込むだけ取り込んで、結局ボタンだけで良かったでは、何をしているのか分かりませんね。
ゲーマーがボタンで遊んでいる時の没入感、想像力の広がり、そういうものを損なわずに、新しい仕組みを上手く取り込んで、そこに新鮮な感動や驚きを付加していくにはどうしたらいいのか、ゲーム業界はこの難しい課題に取り組まなくてはいけないタイミングに来ているように思います。大変に困難ではあるかもしれませんが、きっと不可能ではありません。申し上げた通り、Wiiのゲームの中にも、両立した作品はあったと思います。
それは、新しくユーザーとなった人たちを、より深い世界へ呼びこむステップを作ることでもあります。例えばWiiリモコンに興味を持って始めた人が、少しずつ色んなゲームに興味を持ち、いつの間にか自分にあったものを見つけてより深く関わるようになる、そういう流れを作らなければ、折角増えたゲーム人口は簡単にしぼんでしまいます。そのためには、ゲーマーはボタン、ライトユーザーはリモコンというようなはっきりした垣根は無い方がいいに決まっています。
WiiやDSで、ゲームは新しい操作方法を取り込み、今までゲームを遊んでいない人にも興味を持ってもらい、ゲーム人口を拡大しました。一方で、何か違う、ボタンの方が楽しいと思うゲーマーも少なくありませんでした。そして、ゲーム業界は今、よりたくさんのデバイスを縦横無尽に取り込んでいく道を選択しつつあります。
それは、大変な困難に取り組む険しい道のようにも感じられますし、さらにゲーム業界が拡大していくチャンスのようにも感じられます。新しいデバイスに振り回されてゲーム体験の臨場感が失われることなく、次の時代のゲームが続々と誕生していくことを、期待したいと思います。
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