マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

マンションの性能が比較できる住宅性能表示制度(2ページ目)

耐震や省エネなどマンションの性能に改めて関心が高まっています。住宅の性能を一般消費者にも分かりやすく表示できるようにしたのが住宅性能表示制度。国が定めた統一基準で等級などが表示されるので、物件同士で比較もしやすくなっています。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド


等級4より3が多い省エネ対策等級

住宅性能表示制度のうち省エネ性に関する分野が「温熱環境」です。省エネルギー対策等級に1~4等級のランク付けがあり、等級4は最も新しい(平成11年告示)基準である次世代省エネ基準を満たすことを意味します。

統計データによると、マンションでは等級3が約8割で最も多く、等級4は15%です。等級3は平成4年に告示された新省エネ基準と呼ばれる基準を満たすレベル。最近は首都圏や近畿圏でも窓ガラスを複層ガラスにするなどして断熱性能を高め、等級4を取得するケースも増えているようです。
温熱環境に関すること

温熱環境に関すること



ホルムアルデヒドは最高ランクの等級3がほとんど

室内の空気には建材などから発生する化学物質が含まれています。化学物質の濃度が高いと頭痛やめまいなどの症状が出るなど、健康への影響があることが分かっています。そこで室内空気中の化学物質濃度を低減するための対策について評価するのが「空気環境」です。

空気環境の分野には換気対策など3つの表示事項があり、そのうちのひとつがホルムアルデヒド発散等級です。シックハウスの主な原因とされるホルムアルデヒドの発散量の少なさを示す等級で、内装では最も発散量の少ない等級3が100%近くを占めています。
空気環境に関すること

空気環境に関すること



専用・共用ともバリアフリーは等級1が7割

高齢者などでも住みやすいか、いわゆるバリアフリーの度合いを示すのが「高齢者等への配慮」です。具体的には段差の解消や手すりの設置といった「移動の安全性」と、通路や出入り口の幅、浴室の広さなど「介助の容易性」が評価されます。

マンションの場合は専用部分(住戸内)と共用部分(エントランスから玄関まで)に分かれ、それぞれ高齢者等配慮対策等級で等級5まで表示されます。データではどちらも等級1が最も多く、それぞれ7割前後を占めています。段差解消や手すり設置などは比較的採用しやすい項目ですが、通路幅や広さの確保はなかなかハードルが高いようです。
高齢者等への配慮に関すること1

高齢者等への配慮に関すること1


高齢者等への配慮に関すること2

高齢者等への配慮に関すること2


このほか、住宅性能表示制度には、「火災時の安全」「維持管理・更新への配慮」「光・詩環境」「音環境」「防犯」の各事項があります。必ずしも等級で表示されているものばかりではなく、意味が分かりにくい内容もあるかもしれませんが、関心のある人は不動産会社に説明してもらうといいでしょう。


関連サイト/一般社団法人住宅性能評価・表示協会

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