年4回以上支給する賞与の保険料は?

年4回以上支給された賞与は、1月平均にして算定します

年4回以上支給された賞与は、1月平均にして算定します

企業によっては、歩合給制度などにより、年4回以上に分けて賞与支給している場合もありますね。この場合は、前記の4~6月の給与額の届出の際に、年の総額を月にならして各月の給与額に含めることになっています。

この点は、実務担当者が間違いやすい箇所です。具体的に見てみましょう。

■7月1日を基準日にして、前1年間に4回以上賞与支払い実績がある場合の取扱い

1年間の賞与総額を12月で割り1月平均を算定し、4~6月の各月の給与額に含めて届け出。

(具体例)
<賞与支給実績(下記合計 600,000円)
・27年9月 150,000円
・27年12月 150,000円
・28年3月 150,000円
・28年6月 150,000円

<賞与総額1月平均>
600,000円(賞与支給実績)÷12ヶ月=50,000円(1ヶ月平均)

<4~6月の給与額届出>
・28年4月 
基本給 250,000円+各種手当30,000円+賞与額1ヶ月平均50,000円=330,000円
・28年5月 
基本給 250,000円+各種手当20,000円+賞与額1ヶ月平均50,000円=320,000円
・28年6月 
基本給 250,000円+各種手当25,000円+賞与額1ヶ月平均50,000円=325,000円

4~6月 合計 975,000円 平均額325,000円

上記のとおり、各月の給与額にプラスして届け出るのです。前述の保険料額表(例:東京都 きょうかい健保)に当てはめてみましょう。平均額325,000円は、報酬月額の310,000円~330,000円の枠内ですから、23等級の標準報酬月額320,000円と決定されることになります。右にスライドしていくと対応した保険料を確認することができます。

■対象者
7月1日現在の従業員(社会保険に加入している人)全てです。ただし、6月1日以降に入社(加入)した従業員、6月30日以前に退職した従業員は届け出る必要はありません。

■届出書式
例年、6月になると所轄年金事務所、加入している健康保険組合等から届出書類が送付されてきます。送付される書類は、「被保険者報酬月額算定基礎届」というものです。前述の給与額の届出はこの書類で行います。送付された届出書類には氏名等がすでに印字されていますが、漏れがないか確認の上作成します。

■70歳以上の加入者には別書式あり
なお70歳以上の高齢従業員が社会保険に加入している場合には、「厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎届」という別書式を届け出る必要がありますので注意してください。70歳以上になると厚生年金の加入者ではなくなり保険料の負担はありませんが、給与と年金額の調整のために届け出る書類です。当該従業員がいる場合には、書式が同封されてきます。万が一送付されない場合もあるかもしれません。自社の従業員に該当者がいないか注意しておきましょう。

社会保険料はいつから改定されるか?

社会保険料は原則9月に改定され、翌月10月の給与から天引きされます

社会保険料は原則9月に改定され、翌月10月の給与から天引きされます

給与額の届出が終わると、「標準報酬月額決定通知書」が送付されてきます。保険料を決めるための社会保険上の仮の給与額が決定される訳です。この額に対応する保険料は、毎年9月から適用され、原則来年8月まで有効になります。

次に何月の給与から天引きするか、確認しておきましょう。保険料の天引きの仕組みは、前月分の保険料を当月の給与から天引きできることになっています。従って上記による新しい保険料9月分は、翌月10月1日以降の支給給与から天引きすることになります。これが原則です。ただし企業によっては、経理処理を翌月処理としないで当月処理としているところもありますので、自社の処理方法を確認し対応してください。

4~6月の給与額届出以外に例外的な届出あり(随時改定)

従業員の社会保険料の改定方法は、以上のとおり原則年1回の届出で完了します。9月~翌年の8月までは、同じ保険料となります。4月~6月までの給与額届出で、給与額の変動を反映した保険料になりますから特に支障がないと思われるかもしれません。

しかし、その間で昇給(降給)などにより著しく給与額が変動した場合には、実態に合わない場合も出てきます。実は、著しく給与額や手当額(固定給)が変動した場合には、その変動月以後の3ヶ月の給与額を届出する例外的な仕組みが別にあります。これは、「被保険者報酬月額変更届」という書式で届け出ます。

これにより4ヶ月目から「標準報酬月額」が変更され、保険料もその月額に応じたものになります。昇(降)給が頻繁にあると、その都度随時に改定される場合もあることに注意しておきましょう。標準報酬月額が2等級以上の差になった場合に行います。

この例外的な届出についても、実務上の留意点が多くあります。今回は簡単に触れました。別途別記事にて解説する予定です。今回は、4~6月の原則的な給与額の届出をしっかり押さえておきましょう。

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