データを知って思ったこと
命をつないでいく勇気を
低線量長期被ばくについての真実は、時間の経過とともに、きっと明らかになるでしょう。でも、それは、未来の人にしかわかりません。
しかし現在を生きる私たちでも、過去は、たどることができます。福島ではこれから長期に渡る調査がおこなわれますが、広島、長崎、チェルノブイリではすでに年月が流れました。原爆による被爆を経験された方たちは、生存自体が奇跡であった方もいらしたことと思います。しかし広島、長崎の調査では、ご自身は大変傷つかれた方たちが、戦後、その腕の中に授かった赤ちゃんには染色体異常の増加が認められていないということです。
この方たちが新しい命に送った卵子、精子は、生命の長い歴史が培った何かの仕組みにより、守られていました。この過去は今の私たちに、命をつないでいく勇気の大切さ示しているように思われました。
不安の中でもなお希望を持ち、妊娠へと一歩を踏み出していくことの大切さを忘れないようにしませんか。そして、その新しい命にもっと安全な世界を手渡せるように自分たちの世代が努力し、子どもにも伝えていくことが私たちのすべきことではないかと思いました。
※この記事は、塚原医師へのインタビュー及び、日本産科婦人科医会記者懇談会、日産婦医会研修ニュース等を元に構成しました。
●日産婦医会研修ニュースの該当号はウェブで公開されています。
http://www.jaog.or.jp/News/2011/sinsai/kensyu_0427.pdf