これは、ロッド(船のプロペラのようなもの)を回転させながら敷地を掘り進み、その時の抵抗の大きさと土質から地盤の地耐力を推定するという手法です。ちなみに、地耐力とは地盤1平方メートルあたりの荷重が何トン(kN)なら許容できるか、ということです。
参考までにより専門的な話をご紹介すると、抵抗の大きさはN値と呼ばれ、一般に荷重が5t/●(50kN)なら良好、3~5t/●(30~50kN)なら弱い地盤、3t/●未満(30kN)なら軟弱地盤と判断され、適切な地盤補強工事が必要となってきます(●=平方メートル)。
木造2階建て住宅の場合、建物重量が鉄骨系やコンクリート系住宅に比べ軽いことから、地盤調査を疎かにするケースも。ですが、地盤は建物を支える重要な要素といえますから、必ず実施されることをお勧めします。
地盤調査を疎かにするハウスメーカーや工務店と出会ってしまった場合は不安なものです。地盤調査を専門に行う会社も存在しますから、そこに依頼するのも良いでしょう。費用は一般的に10万円程度で、「安心料」と思えば許容できる範囲かもしれません。
ハウスメーカーにとっての敷地&地盤調査とは
スウェーデン式サウンディング試験を行う機械。あまり大きくないので、建物が建っている敷地でも調査しやすい
ハウスメーカーの営業担当者としては、皆さんに調査を提案する時は「勝負時」(関係をもっと前に進めたい)という思いが強く、何より競合するハウスメーカーを排除したいという思惑があるようです。
ですから、中でも地盤調査を提案するタイミングは、状況によって様々なケースがみられるようです。特に地盤調査の場合は実費が伴うのですが、ハウスメーカーによっては「無料でやります!」なんていってくるケースもあります。
ちなみに請求される金額は一般的に5万円ほど。先ほどの地盤調査費用と比べて、ハウスメーカー側は5万円ほど損をしている計算になります。逆に言うと、それくらいの損があっても、商談でリードしたいという思惑がハウスメーカーにはあるということです。
これを恋愛に例えると、恋愛対象の相手の出方をうかがっているようなもの。だから、同じハウスメーカーの中でも、営業担当者ごとにアプローチの仕方が違ったりもます。このあたりの曖昧さが、皆さんを混乱させる要因(住宅営業の不可思議さ)となっているようですね。
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