ケーススタディとシミュレーション
ビジネススクールのマーケティングの授業では、基礎的知識を取得した後、ケーススタディやシミュレーションを利用した授業が行われるようになります。ケーススタディの授業ではある会社を例にとり、新商品をどのように売っていくか、その場合の会社のポジショニングをどうするか、価格戦略はどうするかなどを、グループ学習と組み合わせながら行っていきます。グループであるマーケティングケースを議論する場合、ポジショニングで意見が分かれることが非常に多くなります。学生Aが低価格路線を主張する一方、学生Bが高級路線を打ち出すといったようにです。このポジショニングの整理がつけば、後は4Pを精緻に分析していくことになります。
ガイドは、マーケティングの授業において座学が終わった後、シミュレーションを利用した学習を行いました。グループ対抗で他のグループを競争相手として、アイスクリームを売り収益を上げるシミュレーションをしたのです。具体的には、最初にグループで3Cを定義しポジショニングを決定します。その後、毎週自らのグループのポジショニングに沿った4Pをコンピューターにインプットしていきます。ガイドのグループは高級路線を取り、高い価格設定と高級スーパーを中心とした販売方法を選んだのですが売り上げが伸びず、低価格路線を選んだり高価格路線なものの広告戦略で優れていた他のグループに押されて最下位をとった苦い経験もあります。
このゲームで学んだことは、自らが良い3C4Pを選んだとしても、周りがそれ以上に良い3C4Pであれば勝つことができない市場原理です。シミュレーションを利用した授業でよいのは、こうしたダイナミズムを経験できることです。
注目分野は時代により変化する
マーケティングが注目される分野も時代とともに変わってきました。現在では、国際、IT、環境(消費者に対する安全を確保することも含む)マーケティングが注目されていることもあり、ビジネススクールでもこうした分野の選択科目を多く設定しています。マーケティング論は、戦略論の攻めの部分を担います。戦略論では、組織をどうするか、リスクに対してどのように対応するか、など企業の全体像を担いますが、マーケティングは、自社の商品を少しでも多く売り、収益に寄与する方法を考えていく学問なのです。ビジネスにおける攻めの学問、真剣に勉強をされてみませんか?
<参考図書>
フィリップ・コトラー&ケビン・レーン・ケラー(著), 恩藏 直人 (監修), 月谷 真紀 (翻訳) 「マーケティング・マネジメント第12版」Pearson Education Japan for JP
<参考記事>
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