日本人がMBAを取得した後は、どのようなキャリアが開かれているのでしょうか? ここでは、4つの典型的なパターンに分けて、キャリアの活かし方をお伝えします。

企業派遣で海外MBA取得後のキャリア

海外MBA取得後、派遣企業で昇進を目指す

海外MBA取得後、派遣元企業で昇進を狙う

日本人が企業派遣で海外MBAを取得する場合は、その企業で将来の経営幹部候補生として活躍することがキャリアの活かし方の1つでしょう。こうした人々は、派遣元企業の国際業務のスペシャリストとして、海外拠点や国際関係部で活躍します。MBA課程で得た経営の総合的知識や国際コミュニケーション力(英語力を含む)を発揮することで、会社での評価が高まり結果として経営幹部になる道が開けていくのです。

一方で、派遣元の多くの日本企業では、年功序列や生涯雇用に基づく人事制度を行っており、MBAを持っているという理由では給与やポストを優遇していないところが大半。そのため、海外で取得したMBAの価値が認められていないと取得者が感じ、会社に留学費を返還してでも転職をするという現実があります。

和光大学准教授である金雅美さんの調べによれば、企業派遣でMBAを取得した人の約4分の1が潜在的な転職意識を持っているそうです。ガイドの周りでは、企業派遣で海外MBAを取得した30人のうち、約半分が欧米企業に転職をしています。「MBAで得た総合的な経営知識を、欧米企業で幹部候補生として、あるいは起業を通じて早期に直接的に利用したい」「より高い給与やポストが欲しい」が大きな理由です。グロービスを設立された堀義人さんや楽天の三木谷浩史さんは、企業派遣でMBA取得後、早期に会社を辞めて起業しています。

私費留学で海外MBA取得後のキャリア

私費留学でMBA取得した方は、欧米企業への転職や起業を目指す。

私費留学でMBA取得し、欧米企業への転職や起業を目指す

自ら高い費用を払い海外のMBAを取得する人の多くは、世界で通用するキャリアを獲得しているため、欧米企業の経営幹部になり高い給与を得ることを目指します。非常にステレオタイプなキャリアだと感じられるかもしれませんが、海外MBAを取得するためには多額の費用がかかり借金をしている人も多く、その返済のためにMBA取得直後の転職に制約がかかるのです。

現在の年間給与500万円の人が、スタンフォード大学のMBAを取得する例で考えてみましょう。スタンフォード大学の2年間でかかる授業料と滞在費は、約2,000万円(スタンフォード大学調べ)です。留学しているため、2年間給与が得られないことから、機会費用は1,000万円。海外MBAを取得するために約3,000万円かかるのです。この他に、留学のための試験勉強準備費用(20~200万円程度)を合わせると、かなりの金額を費やしたことになります。

こうした人が、MBA取得後にMBAを高く評価し能力給の高い欧米企業に経営幹部として就職し、まずはMBA取得にかかった費用を取り戻そうとするのは十分理解できます。一方で、欧米企業に転職するのは費用面からの制約だけではなく、日本企業の年功序列などに縛られることなく、自由闊達で能力評価の徹底した職場を目指す場合が多いのも確かです。

起業して上場を目指す人もいます。起業には経営全般の知識が必要です。米国のビジネススクールでは、最も優秀な人が起業をするといわれていて、そうした環境にいると起業をしたいという気持ちが強くなります。加えて、海外ビジネススクールで世界レベルの人脈を手に入れるので、資金提供者から起業パートナーまでを見つけることが可能です。起業を成功させ、MBA取得の費用を一気に返済。まさに、アメリカ人が考えるMBA取得者の典型的な成功例でしょう。