眠気が取れない……かくれ不眠とは
かくれ不眠はまだ病気ではありませんが、不眠症の一歩手前です
かくれ不眠とは、睡眠を軽視して睡眠時間を必要以上に削っている人や、医療機関で不眠症の治療を受けるほどではないものの、睡眠に悩みや不満があり、日常生活に悪影響が出ている状態のこと。かくれ不眠を放っておくと、仕事やプライベートでのミスや事故が増えたり、本当の不眠症になってしまう危険性があるので、注意が必要です。
2010年12月にエスエス製薬株式会社が調べたところでは、20~40歳代の約8割が「かくれ不眠」であることが分かりました。これまで睡眠に悩みを持つ人は全人口の約2割といわれてきましたから、これは驚くべき数字ですね。
仕事が多い割に年収が低い!? かくれ不眠者の負のスパイラル
かくれ不眠の人は、大切な時間とお金を失っています
個人の年収について比べてみると、かくれ不眠者は快眠者よりも年収が低い傾向があることが分かりました。年収400万円未満は、快眠者の47%に対してかくれ不眠者は51%と多く、600万円以上では快眠者の14%に対してかくれ不眠者は11%と少なくなっていました。この傾向は40歳代の男性と30歳代に女性で、特に明らかでした。
この1年ほどの就業時間についてみてみると、「以前より勤務時間が長くなった」と回答したのは、かくれ不眠者で16%、快眠者で11%。また、「以前より業務量が増えた」と回答したかくれ不眠者は22%、快眠者では14%となっています。就業時間や業務量に関しても、年収と同じく男性の40歳代と女性の30歳代で、大きな差が見られたのです。
この結果から、かくれ不眠と仕事の間には、負のスパイラルがあることが分かります。
自分が意識するしないにかかわらず睡眠が足りていないと、脳の活動が低下して記憶力や判断力、発想力が鈍ります。そのため、仕事の能率は落ち、ミスが増えるので、仕事量が増えて勤務時間は長くなってしまいます。さらに、残業時間が増えると睡眠に回せる時間が少なくなるため、睡眠不足がさらにひどくなってしまう……というわけです。
まず大切なのは「かくれ不眠」を自覚すること
あなたのかくれ不眠度をチェックしてみましょう
- 寝る時刻が毎日ばらばら
- 休日に寝だめをする
- 寝つきが悪い
- 夜中に何度か目覚める
- 予定よりも早く起きてしまう
- 熟睡した気にならない
- 昼間によく居眠りする
- 集中力が途切れがち
- やる気が出ない
- 睡眠時間が短くても平気
- よく眠れない
- 夜更かしをする
【関連サイト】
睡眠改善委員会
快適な睡眠に効く7つのポイント
不眠・睡眠障害