ドイツプレミアムブランド並みの高い完成度
セダンとステーションワゴン、3.2リッターエンジンと2.2リッター、4WDなどがラインナップされていたが、現在はセダンの2.2JTSセレスピード コレクション(435万円 写真)のみとなる。サイズは全長4690mm×全幅1830mm×全高1430mm
GMとのコラボレーションで生まれたクルマで、上級車用の高価なプラットフォームを使っているから、パフォーマンスはなかなかのもの。ほとんどドイツプレミアムブランド級の走りをみせた(このときのアルファトップは元BMWの人だったし)ことから、多くのアルファロメオファンが戸惑ったもの。もちろん、そこで失ってしまったもの(ある種の軽快さ、柔らかさ)もあるが、クルマとしての完成度を上げ、マーケットを広げることがアルファの長年の課題だったから、方向性は決して間違いではなかった。
外野の余計な野次に耳を傾けず、たとえばFFのセダンをテキトーに転がせば、数値で判るパフォーマンスこそドイツ車並だが、フィーリングそのものはレッキとしたアルファロメオに仕上がっていることが分かる。真っすぐ走るアルファが嫌いなら、それ以前をどうぞ、というわけだ。
V6+4WDなどは、本当によく出来たグランドツーリングカーである。特にスポーツワゴン。ややガッチリ感は強めにでるものの、高速道路をクルージングしているときの安定感、フラット感、滑らかさは、これまでのアルファロメオの常識を覆した。
ただし、ちょっとメタボである。ボディサイズを気にする向きには同意する。もう少し引き締まった体躯でも良かったが、それはそれで高級プラットフォームを使いこなせなかったということだから、痛し痒しである。