住む場所と生活コストについて考えてみました
郊外に住めば、家を買っても借りても、住居費は安くつきます。しかし、住居費だけで生活コストは測れません。どこに住むかによって生活コストは結構変わってくるのです。今回はこの住む場所と生活コストについて、考えてみました。子どもの医療費負担や各種補助の額は住む場所で違う
子どもの医療費負担や各種補助の金額は、どこに住むかによって結構変わってきます。例を挙げると、都内でいえば千代田区や中央区など夜間人口が少ないエリア、つまり、事業所の数に比べて子どもの数が少ない地域では、子どもに手厚い補助を出すことができます。自治体は法人からの税収で潤っている一方、教育関連支出が少ないからです。
また、港区など高額所得者が多く、やはり自治体の財政に比較的余裕がある地域。品川区などのように、12歳まで医療費無料という地域もあります。すると、家計に与える負担も当然変わってくるでしょう。
子供の教育費が変わる
あるいは公立学校のレベルが比較的高い学区に住めば、あえて子供を私立に行かせる必要もなくなり、学費やお受験などの教育費も安く済むかもしれません。私は地方出身者なので驚いたのですが、私の地元では公立学校の受け皿として私立学校がありました。しかし都市部では、子供の教育環境は私立校の方が良いようです。
ちなみに私の子供時代には、どこの公立学校でも必ず一人くらいは暴力教師と恐れられる教員がいて、いじめやケンカ、素行の不良が起これば、暴力教師から殴られていました。そうやってかろうじて学校の秩序が保たれていました。しかし今はすぐ親が問題にするので、公立学校の秩序は乱れているそうです。私立校は「退学処分」という伝家の宝刀を抜くことができますから、極端に成績の悪い生徒や、他の子供に悪影響を与える生徒を排除することができます。つまり、教育環境を維持しやすいということです。そのため、多くの親はお受験をしてでも私立校に行かせようとします。
しかし、レベルの高い公立小中学校の学区に住むことで、お受験が不要となる場合もあります。すると、塾代や学費も安く上がる可能性があります。
交通費負担が変わる
また、郊外に住んだ場合、もし子供が都心の進学校に通ったら?その交通費負担だけでもハンパではないケースがあります。お父さんの通勤定期は会社から支給されますが、子供の通学定期は基本的に自腹です。特に新しく開発された路線の沿線や、郊外を切り開いた敷地には大規模な住宅地が開発され、その値頃感から、多くの第一次取得者が大挙としてやってきます。そして、住宅費も駐車場代も安く上がったと思ったら、子供の通学定期の高さに悲鳴を上げるケースもあります。
たとえば千葉県郊外の広大な新興住宅地である千葉ニュータウン。確かに都心まで1時間圏内ではあります。ただ、東京駅まででようとすると交通費が片道1000円以上かかる場合があります。
郊外から子供が都心の高校や大学に通う場合、定期券を買うと、1ヶ月4万円以上します(自治体から補助金が出るケースもあります)。場所によっては狭いワンルームマンションが借りられる金額です。もしかしたら住宅ローンの毎月の返済額に匹敵するかもしれません。
これは奥様が東京に遊びに行くときも障壁となりますし、夫の定年退職後の行動範囲に影響を与えます。都心まで電車代だけで往復2000円もするのなら、出かけるのもためらってしまうでしょう。
このように、家賃がもったいないから、住宅の値段が安いから、というだけで場所を選ぶのは適切でないケースもあります。
単身者にはあまり関係ありませんが、特に子供がいる家庭では、教育関連コストも考慮に入れると、便利さも満足度も得られる可能性があります。