【治療に役立つ】5.飲酒習慣がある人は市販のかぜ薬は禁!
民間療法として卵酒を試した人ではなく、日ごろからかなり飲むほうだ、という人は注意が必要です。市販の感冒薬(いわゆる風邪薬)にも含まれている解熱剤のアセトアミノフェンの代謝産物には肝毒性があります。飲酒習慣がある人はアルコールをより多く代謝するために、本来は薬剤の分解のために使う反応系の活性が高くなっています。アセトアミノフェン服用後に代謝産物の肝毒性が原因と推定される肝不全を起こしてしまった報告もあります。飲酒習慣がある人は、風邪にかかった時は市販のかぜ薬の服薬は控えましょう。薬剤の副作用防止の点から、感冒薬や抗生物質を服薬した時には原則、禁酒となります。薬剤を服薬しない場合もなるべく節酒する事を薦めます。
【治療に役立つ】6.抗ヒスタミン剤は眠気に注意
市販の感冒薬に含まれているのが抗ヒスタミン剤です。風邪に伴う鼻水の量を減少させる効果があると表示されていますが、副作用として眠気があります。車を運転するような場合は抗ヒスタミン剤を含む感冒薬は居眠り運転の原因となるので飲むべきではありません。【治療に役立つ】7.抗生物質はウイルスには無効
抗生物質は細菌に対しては有効ですが、ウイルスに対しては無効です。細菌のせいで免疫反応による炎症がおきている場合は抗生物質は有効な可能性がありますが、風邪の原因の80%はウイルスです。ウイルスのうち、もっとも可能性が高い鼻風邪ウイルスによる風邪の場合は、細菌感染を伴う事が少ないので抗生物質を飲み続けても効果はありません。成人と小児は別に考えないといけません。小児の場合は耳管が短くて風邪症状から中耳炎を引き起こしやすいのです。中耳炎の原因となるのは細菌なので、中耳炎を併発してしまった場合は抗生物質が有効となります。
【治療に役立つ】8.咳が続くときは抗生物質が有効
ウイルス性の風邪の場合、病期の長いインフルエンザでも1週間程度で解熱します。風邪の症状のうち、咳が数週間続く場合があります。この場合はウイルス性ではなくて細菌の一種のマイコプラズマ肺炎の可能性があります。マイコプラズマ肺炎に対しては抗生物質が有効です。だからと言って咳が続くときに、以前に処方された飲み残しの抗生物質を服用するのはやめましょう。有効な抗生物質が限定されているからです。余談ですが、ニキビに対して処方する抗生物質の一部はマイコプラズマに対しても有効です。ニキビ治療をしたらニキビはすぐには治らなかったけれど咳が治ったいうこともあるのです。
あまりに長引く場合は、肺炎や百日咳などの違う病気を疑う必要もあります。念のため、「風邪とよく間違えられる病気」もチェックしてください。医学的に効果的な予防法については「風邪の予防法」にまとめています。