世界が見守る「アメリカ雇用統計」
「アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪を引く」といわれますが、アメリカ経済は日本だけでなく世界の経済に大きな影響を与えています。アメリカは世界全体のGDPの3割を占めており、今後の経済の行方を占ううえでアメリカ景気のチェックは欠かせません。アメリカ景気との連動性が高い指標として世界が最も注目するのが、毎月第1金曜日に発表される「雇用統計」です。その理由は、「雇用されている人が増える(減る)⇒アメリカの人たちの収入が安定(不安定化)する⇒アメリカのGDPの7割を占める個人消費が上向く(下向く)⇒アメリカ経済が強く(弱く)なる」といった予測ができるから。現在もこの流れでアメリカ経済の回復が続いており、日本や世界経済に良い流れをもたらしています。
また、雇用統計のニュースをチェックするときの重要なポイントは「非農業部門雇用者数」の変化です。アメリカの雇用者の人数が前月比で何人増減したかによって、アメリカ経済の立ち直りの強さがはかられるからです。とくに事前予想と結果にずれが生じたときは、マーケットも大きく反応する傾向があります。
為替レートを動かす「FOMC」
経済の動きを知ると仕事やプライベートでも役に立つ!
為替相場を予測するのは株価を予測するよりも難しいといわれますが、為替を動かす要因の中でも最も影響力が大きいとされるのが「金利」です。アメリカの金利は、FRB(米連邦準備制度理事会)によってFOMC(連邦公開市場委員会)で決定されます。
これまでアメリカは、経済を回復させるために、ゼロ金利政策を含む大規模な金融緩和を実施してきましたが、今年1月には緩和を縮小。今後はその終了の時期を探っていくことになります。FOMCでゼロ金利解除の方針が決定され、日米の金利差が開けば、一段の円安ドル高が進む可能性もあります。仮に金利水準が変わらなくても、マーケットは方向性を先取りして動くことがあります。
もちろん、セオリーどおりには動かない部分もありますが、通常、長い目で見れば、お金は金利の低いところから高いところに流れる傾向があります。年に8回開催されるFOMCは、為替相場の行方を決定する一大イベント。発表内容は要チェックです。
各国の金利は中央銀行の金融政策によって決定されるので、投資先の金融政策に関するニュースにはぜひ耳を傾けてくださいね。
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