ソニーの責任は重いが、同時に被害者でもある
ソニーは2011年5月1日に記者会見を開き、平井 一夫副社長が状況を説明しました。
簡単にいえば、既に知られている、不正に利用できてしまうようなプログラム上の穴があったにも関わらず、対処していなかったために侵入を許してしまった、ということです。既知の脆弱性というのは、必ずしも分かっているからと言って全て対応できるとは限らないのですが、今回に関しては、ソニー側が認識不足を記者会見で認めています。
ただし、今回の件はソニーも被害者であるという側面も忘れてはいけません。それはつまり、加害者がいるということです。もし、より厳重にデータを管理していたとしても、相手がそれを上回る技術で侵入されるかもしれないと考えれば、絶対の安全とは言えません。
任天堂も、マイクロソフトも、無関係ではない
3DSのオンラインサービスは6月7日にはじまる予定です。
この3つの流れは、ゲーム業界のオンラインビジネスのリスクを浮き彫りにしています。サービスが巨大になればなるほど、扱う情報のリスクは高まり、長い間培ってきた信用を一夜のうちに失うような事態を常に警戒しなければいけなくなります。
そして当然、2011年6月7日からニンテンドー3DS向けのオンラインサービス、ニンテンドーeショップを始める任天堂、Xbox Liveで世界中のコアユーザーの会員を集めているマイクロソフトといった、他のプラットフォームホルダーも無関係ではありません。
ゲーム業界は、オンラインビジネスを拡大させていく流れの中で、情報の安全性についてどうやってユーザーと信頼関係を結んでいくかについて、もう1度考え直す時期に来ているのかもしれません。