和語と漢語調の使い分け……手紙の書き方・文例
和語調、漢語調の言葉もうまく使い分けることで、より適した文章に
このように、「お知らせ」のような言葉は「和語」と呼ばれ、一般に頭に「お」が付く例がほとんどで、「ご通知」は「漢語」と呼ばれ頭に「ご」が付くのが一般的です。
和語は、やや話し言葉調でやわらかい感じがあり、漢語はやや改まった文書的な印象を持ちます。内容や前後の文章などによって、この和語、漢語もうまく使い分けることでわかりやすく、場面に合った手紙になるでしょう。
そのような文例の一部を見てみましょう。
文例1 春季○○会のご案内
薫風の候 皆様におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。さて、今年度も恒例の春季○○会を下記のとおり開催することになりましたので、
ご案内申し上げます。
ご多忙中と存じますが、多数ご出席くださいますよう、お願い申し上げます。
記
日時:5月28日(土)午後4時より
会場:和食「若松」
会費:5000円
お手数ですが、15日までに、ご出席の有無を同封の返信用はがきにて
ご一報ください。
文例2 春季○○会のご案内
風薫る季節となりました。皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。さて、今年度も恒例の春季○○会を下記のとおり催すことになりましたので、お知らせ申し上げます。
お忙しい折と存じますが、多数お集まりくださいますよう、お願い申し上げます。
記
日時:5月28日(土)午後4時より
会場:和食「若松」
会費:5000円
お手数ですが、15日までに、ご出席の有無を同封の返信用はがきにて
お知らせくださいませ。
同じ内容の案内状ですが、1(漢語調)は2に比べ改まった感じも強く、ビジネス文書などでは、このような書式の文章が多く用いられていることがわかりますね。それに対して2(和語調)は、同じ内容でも全体的にやわらかく、どちらかというと女性的であるともいえるでしょう。メールや手紙でも出す相手や内容に応じて、同じ意味の言葉でも言い回しを換えることで、よりふさわしく、伝わる文章になるものです。
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