気持ちが沈みがちな時に……
どんな人でも、訳もなく落ち込んでしまい、自分がどんな感情に引っ張られているかさえ分からなくなることがあります。そんな時には、一呼吸おいて自分を客観視すれば良いといわれます。でも、落ち込んでいる時には、「それができれば苦労はない……」などと思ってしまいますね。
そんな時に読んでいただきたいのが、次の絵本です。これらの絵本なら、読後にはホッと気持ちが和らいで、沈んだ気持ちを切り替えるスイッチの役割を果たしてくれそうです。
■『旅の絵本』
「旅」は、日常から離れて、自分自身を見直す良い機会になります。けれど、そんな時間のない方に、こんな「絵本の旅」はいかがでしょう。とはいっても、安野光雅さんの作品ですから、単なるスケッチ集に終わるはずがありません。本書は、安野さんご自身が「1000の物語のある本」を作りたいとの願いを持って描かれた作品と聞きます。そして、その願いの通り、1度読んだらおしまいという類の本ではありません。美しい絵を楽しんだその後は、隠し絵やミニストーリーなどを探しながら何度も何度も読み返しましょう。安野さんの仕掛けを見逃さぬよう一生懸命絵を追えば、落ち込んでいたことさえ忘れてしまうかもしれません。
【書籍DATA】
安野光雅
価格:1470円
出版社:福音館書店
推奨年齢:6歳くらいから
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■『わたしとなかよし』
表紙に登場するキュートなブタさんの1番の仲良しは、「わたし(ブタさん自身)」です。自分自身を大切にする事はとても大切なことですが、欠点を含めた「自分の全て」を受け入れるとなると、これはなかなか難しい……でも、「自分大好きな」ブタさんの様子を見ていると、自分自身のいたらないところも何だか好きになれそうな気がしてくるから不思議です。いまは、ちょっぴり落ち込んでいても、自分を認め 大切にすることができれば、またすぐに元気を取り戻せることでしょう。原題は 『I Like Me!』 簡単な英文で書かれていますから大人の方なら原作もおすすめです。
【書籍DATA】
ナンシー・カールソン:作 なかがわちひろ:訳
価格:1365円
出版社:瑞雲舎
推奨年齢:4歳くらいから
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■『ルピナスさん 小さなおばあさんのお話』
主人公のルピナスさんは、少女の頃の夢をかなえ、町の図書館で働き、世界中を旅行してその素晴らしさを味わいました。そして、おばあさんになった時、「世の中を美しくする」ためにすてきな魔法を思いつきます。年を経てもなお、夢見る少女時代と変わらない純真さを持ったルピナスさんの姿に、読者はきっと勇気づけられることでしょう。「自分のできることや信じることを、少しずつやっていけばよいのだ」とのメッセージが優しく伝わってきます。バーバラ・クーニーの穏やかな雰囲気のイラストが、物語全体に深い味わいを添えています。
【書籍DATA】
バーバラ・クーニー:作 掛川恭子:訳
価格:1365円
出版社:ほるぷ出版
推奨年齢:6歳くらいから
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