誰もが赤塚不二夫を愛していた
赤塚不二夫といえば、ギャグ漫画の巨匠として誰もが知る偉大な存在。バカボンのパパ、ニャロメ、チビ太、ひみつのアッコちゃんなど、数十年の時を超えて今も愛されるキャラクターを次々に生み出してきたことでも、改めてその作品群に圧倒させられます。そんな赤塚不二夫の半生を、長年コンビを組んできた編集者の立場から描いた作品が、『これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫』。主演に浅野忠信、堀北真希。さらに阿部力、木村多江、いしだあゆみ、佐藤浩市といった豪華キャストによるコメディ大作なんです。
そうそうたる俳優陣を迎えてメガホンをとったのは、今回がデビュー第一作となる佐藤英明監督。阪本順治、森田芳光、君塚良一ら名だたる監督のもとで、助監督としての経験を重ねてきた佐藤監督にとって、まさに満を持しての作品であり、ロードショーを直前に控えての熱い思いをうかがいました。
これまでにないタイプの作品
---この『これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫』という作品は、映画化実現までに、かなりご苦労されたと聞きましたが。佐藤 今から5年前のことになるんですが。君塚良一さんから今回の台本を「好きに使ってくれていいから」とプレゼントされたんです。その時には、すぐに監督になろうという気は、ありませんでした。
---助監督として、忙しく活動されていた時期ですね。
佐藤 原作はすでに読んでいて、面白いなと思ってたんで、2つ返事で有り難くいただきました。自分がやりたい方向性にも沿ってましたし。
---ジャンルとしては、コメディであると同時に、リアルな人間ドラマでもあるという、これまでになかったタイプの作品ですが。
佐藤 全編ドキュメンタリータッチで演出することも考えたんですが、ここは映画らしくフィクションに徹して作り上げようと決心したんです。そこのところは、タイトルの「映画★赤塚不二夫」に現わしました。