投資信託/投資信託(ファンド)の基礎を学ぼう

本当はいまどうなの?投資信託の現状(2ページ目)

リーマンショックを乗り越えて徐々に活気を取り戻しつつある投信市場。投資信託の最近の動向や、「今売れ筋のファンドって実際どうなの?」といったところが気になるあなたに、投資信託の今について解説します。

執筆者:村岡 里香

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通貨選択型ファンドは本当に買い?

ハイリスク

高い分配金のためならハイリスクも覚悟の上!・・・ということならいいのですが

通貨選択型ファンドは、「資源株×ブラジルレアル」「ハイイールド債×豪ドル」など高利回りが期待できるもの同士を組み合わせた相乗効果によって高収益をめざす商品です。

忘れてはならないのは、高収益と高リスクは必ずセットだということ。これらの人気資産や人気通貨はホットマネーが入りやすく値動きが大きいのが特徴です。市場の流れが逆風にかわると、基準価額の下落にも相乗効果が働いてしまう場合があり、大きなダメージを被る可能性があります。

通貨選択型ファンドは、市場の変化におうじて売却したり、他の通貨コースに乗り替えたりすることも必要になってくる上級者向けのタイプといえます。「人気のある毎月分配型ファンドだから」と、相対的にリスクの低い先進国債券ファンドとおなじような感覚で購入するのはキケンです。

また、将来的な残高の推移も気になります。ブームにより一気に残高が増加したファンドは、しばらくすると他のファンドへの乗り換えで資金が流出しやすい傾向があります。ちなみにグロソブの残高も2008年の5兆7685億円から現在の2兆円台まで半減しており、資金流出による運用効率の低下が懸念されているところです。


長期投資の静かなブームも

高い分配金ニーズにこたえる商品の人気が根強い一方で、長期的な資産形成のニーズにこたえる商品が、ゆっくりと着実に残高を増やしていることも注目に値します。

「さわかみファンド」「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」「ありがとうファンド」といった直販運用会社の商品や、「eMAXIS新興国株式インデックス」や「STAMグローバル株式インデックス」といった低コストのインデックスファンドには継続的な資金流入がみられます。

これらの投資信託の保有者は「長期保有」や「積み立て」を目的とする割合が高く、保有者の年齢も相対的に若い傾向があるのが特徴です。通貨選択型ファンドのように1年で1兆円の資金が入るなんてことはありませんが、安定的・持続的な資金流入が期待できるといえます。

一般的にブームとなる投資信託は、販売力のある証券会社がそのときに力を入れている商品、売りやすい商品であることが多いのが実情です。これからはわたしたち投資家自身が本当に投資家の資産形成に資する商品を判断し、ブームの主役にたてていきたいものですね。

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