火葬が追いつかず土葬に踏み切った自治体も

土葬されたご遺体の中には身元不明者も多数。DNAや歯型などのデータは警察が保管しています

土葬されたご遺体の中には身元不明者も多数。DNAや歯型などのデータは警察が保管しています

火葬大国として知られている日本。火葬率は世界に類をみない99.93%と高い数字(※1)を記録し、全国で1500以上(※2)もの火葬場が点在しています。お釈迦様が火葬されたことから、仏教と火葬は密接な関係があったことが普及の要因のひとつではありますが、そうはいっても火葬は大量の薪を使うため贅沢な葬送方法にあたり江戸時代まで一般の人は土葬が主流でした。戦後になって墓地不足や公衆衛生の観点で政府によって推進されたことが火葬率アップにつながっていったのです。

ほぼ100%近い火葬率の日本にあって、今回の東日本大震災では一部土葬が行われました。多数の身元確認が困難なご遺体、ドライアイス不足、さらに地域の主要火葬場が被災し、交通網やライフラインの断絶、燃料不足などにより火葬が追いつかないという事態が発生したのです。

土葬は墓地埋葬法で認められた埋葬ではありますが、条例などで禁止している自治体が多く、マニュアルはおろかノウハウさえもないケースがほとんど。そのため多くの犠牲者を出した自治体は急遽特例措置の適用に向けて対応に追われました。宮城県内では6市町村が土葬に踏み切り、すでに1000人以上の方が埋葬されています。

※1:2009年 総務省統計局発表資料「衛生行政報告例」を元に算出
※2:統計局発表の資料によると、2009年全国の火葬場数は5149ヶ所ですが、野焼きなども含まれているため、実際に稼動している火葬場は1544ヶ所(2011年厚生労働省全国化相場データベースより)