夏の節電・停電時はツライ!? 昼食後の体温上昇
節電の影響で、例年より高い温度で設定されそうな空調。昼の体温上昇を抑えるのも快適な夏を過ごすコツ!
実際、日本より暑いタイなどの東南アジアの国の人々は、日本人よりも少ない熱量摂取で暮らしています。日本でも、夏場は他の季節より少ない熱量摂取で生活できます。ただし、いくら熱量を減らしてよいといっても、ヒトは体内でビタミンCを作れないため、ビタミンCを含む植物を食べないと健康に生きていくことはできません。葉酸も基本的には植物から摂って生きています。逆にB群ビタミンのうち、ビタミンB12は動物由来のものでないと摂取が難しいです。
動物の食性を2つに分けると草食と草食以外、3つに分けると草食、肉食、雑食に分けられます。ヒトは雑食とされていますが、代謝経路を見ると肉食に近い感じがします。そんなに熱い献立でなくても、食事をしながら汗を拭いている会社員を見かけたりしますが、食事後に体温が上昇する感じは誰でも経験したことがあるでしょう。体温上昇の理由は、消化・吸収時に「食事誘導性熱産生」があるからです。
肉類には夏バテ防止に役立つB群ビタミンが豊富ですが、一方で肉類は蛋白質が多く、食事誘導性熱産生が高い食事と考えることもできます。食事誘導性熱産生が高いと食後の体温上昇が大きくなり、元に戻るには少し時間がかかります。この夏はサマータイム導入などの意見もあるようですが、東日本では空調機の温度設定が高くなることが予想されます。お昼の過ごしにくさを考えると、肉類は今年に限っては夏バテの原因となる可能性も考えられます。
最も気温が高くなるお昼の時間帯を少しでも涼しく過ごすには、昼ごはんで不要に体温を上げない工夫も有効です。食事誘導性熱産生が低い食事を摂った方が、結果的に夏バテしない可能性が高いです。B群ビタミンを考慮すると、肉類以外からB群ビタミンが豊富な食事を摂ることが望ましいといえます。
野菜中心食でもしっかり栄養! 全粒穀物食の魅力
日本では、白米や白いパンを中心に食べる人が大半でしょう。通常は精米や精製した小麦が多いと思いますが、穀物の栄養を考える上で、全粒かどうかは重要なポイントです。精米した白米にシフトした時代は、B群ビタミンの不足から脚気が起きやすくなったとも言われています。現在の日本では食べ慣れている人の方が少ないかもしれませんが、全粒穀物はビタミン類とミネラルが豊富です。普段は肉食という方も、この夏は全粒穀物食を試してみてはどうでしょうか?全粒穀物食の代表であるオートミールは、加熱調理が必要。日本で全粒穀物食というと、まず手軽に思いつくのは玄米食でしょう。単身赴任で外食がメインの人や、会社の寮などに住んでいる方が玄米食を実行しようというのは少し難しいかもしれませんが、玄米食をすでに実践している方は、玄米食の自家製昼食にも抵抗がないと思います。外食派の人は、選べる範囲で肉の割合を少し減らして、その分の栄養を玄米などから摂取するよう意識してみましょう。お弁当派の人も、お弁当箱には白米ではなく玄米を詰めることをオススメします。
ベジタリアン的食生活で夏バテを予防!
ミューズリーに豆乳を加えた簡単朝食。肉食を少なくしても、手軽にうまく栄養を摂ることができます
ミューズリーは種類があるので、これまで食べたことがないという人も、いろいろと試してみるとよいのではないでしょうか? できることを上手に工夫して楽しみながら、今年の夏を乗り切りましょう!