先に進まない恋愛、どうする?
たとえ、恋愛のスタートラインに立てたとしても、そこから先も牛歩の歩み。不倫でもないのに、障害物競争のごとく、なかなか前に進まなかったりする。「ひとりで家でネットしていたほうが楽しい」という省エネ体質の草食男子はさておき、最近は、けっこう、いい男でも自分から誘わない人は多いという話も聞く。
“いい男”の定義はいろいろあるけれど、女心をつかむ要素をたぶんに持った、いい男の中には、自分から簡単に声をかけない男性が多いのは確かだ。
それは、ガツガツしなくても女性が寄ってくるから。人生は恋愛がすべてじゃないし、それ以外の有意義なこと――仕事や趣味に熱心だから。しかも、今の時代は、恋愛じゃなくても、楽しめる術がたくさんある。いい男でも、恋愛における経験不足でコミュニケーション不全な人は少なくない。
がっつく男は好きじゃない。でも積極的な男性が好き。
多くの女が好きなのは、恋愛には前向きで積極的だけど、ガツガツはしていない男だ。そう言うと、「自分好みのカッコいい男からアタックされたら、積極的で男らしいと思えるけど、ブサイクな男から攻め込まれたら、ガツガツしてるって思うわけでしょ」と男友だちには一刀両断された。そうとも限らないけれど、全否定はできない。個人的な好みを言うと、いくらタイプの男性でも、いきなり積極的すぎる男の人は、少々苦手な場合が多い。「私のどこを見ているの?」「他の女にもそうしているんでしょう」というささやかな疑念がわくから。この意見に、賛同してくれる女性は案外多い。
自分から誘う
藤田 宜永『恋人の育て方 』ハルキ文庫 「女の勘を信ぜよ」「恋に公式はないが戦略はある」「男と女は、ふたりがよければ、それでよし」―恋愛に悩んでいる女性や恋が苦手だったり、恋愛なんて面倒くさいと思っている女性など、すべてのひとに贈る恋愛エッセイ
そして、実際に、いい男をつかまえている女は、まずは、自分から誘っている。最初のきっかけは自分から作るし、基本的に自分から恋をリードしている。
では、女から、どのように誘えばいいのか、いかにリードすればいいのだろう。
それを学ぶ上で小説家、藤田宜永先生が執筆した『恋人の育て方』が興味深かった。本書では、藤田先生も「現代は恋愛が難しい時代だし、草食動物的な男性が増えている。ゆえに、この人からアプローチしてもらいたいと思った時に、上手にシグナルを出してあげること」と女性からの行動を促している。