国際結婚/国際結婚アーカイブ

大地震から外国人家族をどう守る?(2ページ目)

2011年3月11日、日本は未曽有の大地震・大津波に襲われました。こんな時、地震がない国で生まれ育った外国人パートナーは、落ち着いて安全に避難できるでしょうか? 日頃から2人でどのような備えをしておけばよいか、考えてみました。

執筆者:シャウウェッカー 光代

  • Comment Page Icon

国際結婚カップルの災害対策

外国人の妻や夫と次のことを話し合い、確認し合っておきましょう。

■地震が起きた直後は
  • 落ち着いて行動すること。
  • 大きな揺れの場合は、まず身の安全を確保。テーブルの下などに移動し、倒れる可能性がある家具の近くにはいかない。
  • 脱出口を考える。地震のためにドアや窓が開かなくなることもあるので、揺れの様子を見てドアを開けておく。
  • 小さい揺れの場合はまず火の始末を。揺れがおさまったらガスの元栓も閉めておく。
  • 揺れが終わっても安心しない。余震の可能性もあるので、引き続き大きな家具や落下の可能性があるものには近づかないように。
  • 家が海に近い場合は津波に注意。高台に避難することを考え、そのルートも2人で確認しておくこと。
  • 低地や川のそば、急傾斜地区に住んでいる人は、河川の氾濫や土砂崩れの危険性もあるので、早めに避難を。
  • ガス漏れの危険もあるので、停電の場合はロウソクではなく懐中電灯を使う。
  • 停電時に避難する時は、家電製品の電源をぬいておく。

■日頃の備え
  • 家具を固定しておく。結婚して新居に引越しするとき、あらかじめ地震対策を講じておくとよい。
  • アパートやマンションの場合は、非常口・非常階段の確認を。
  • 地域の避難場所や避難ルートを確認しておく。
  • 懐中電灯、携帯ラジオはすぐ出せる場所に準備。
  • 「非常用持ち出し袋」を用意しておく。内容は防災サイトなどを参考に。
  • 携帯電話の充電は常にしっかりと。被災後、電力がすぐに回復しないことがあるので、ソーラー充電器などがあると便利かも。
  • 家族の連絡方法を決めておく。携帯電話がつながらない場合も考え、ツイッターやフェイスブックのアカウントをとっておくのもよい。
  • 近くに住んでいる親族、またはご近所の人たちに、被災時、自分がいなかった場合は外国人の妻や夫に声をかけてもらえるよう頼んでおく。必要であれば、一緒に避難所に連れて行ってもらう。
  • 多言語でサポートしてくれる支援団体や外国語で情報を得られる電話番号などを調べておき、「非常用持ち出し袋」にリストを入れておく。

■外国人配偶者がしておいたほうがよいこと
  • 日本にある自国の大使館か総領事館に連絡先を登録しておく。
  • 地元の外国人支援団体---たとえば自治体の中の支援グループや国際交流協会など---の行事に参加し、身近に知り合いをつくっておく。

■外国人被災者へ多言語で情報提供しているサイト


入国管理局からのお知らせ、被災情報、放射線被ばくに関する基礎知識などを、19の言語に翻訳、発信しています。
「東京外国語大学多言語災害情報支援サイト」


海外での防災対策

結婚して海外に住んでいるカップルも、これを機に、ぜひ防災対策を講じておきましょう。準備しておくことは、基本的に上記の日本国内の場合とほぼ同じです。

海外での自然災害は、地震のほかに、ハリケーン、竜巻、洪水、山火事、火山の噴火などが考えられます。土壌や家屋の建築方法が異なるため、同じ地震でも、日本とは違う対処法が必要となる場合がありますので、注意しましょう。

まずパートナーに、居住地周辺でどのような災害が起こりやすいのかを聞いておきます。そのうえで、災害が起こった時の行動、避難の方法やルート、お互いの連絡方法などを確認し合っておきましょう。日本の家族にも伝えておくとよいでしょう。

また、居住国にある日本の大使館や総領事館には、必ず「在留届」を出しておきましょう。提出しておけば、災害時に安否確認が行なわれ、日本の留守宅へも連絡してもらえます。詳しくは下のサイトへ。
外務省:「在留届」をご存知ですか?



  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます