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階段状の道路

傾斜地や高台の住宅地などでは、家の前の道路が階段状になっている場合があります。このような敷地に家を建てるときにはどのような問題があるのか考えてみましょう。

執筆者:平野 雅之


土地の起伏に富んだ街の住宅地では、傾斜地にいくつもの家が立ち並んでいることも少なくありません。急な坂道という場合だけではなく、敷地の前の道路が階段状になっていて自動車の通行ができないことも多いでしょう。

階段状の道路

坂道の途中にいくつかの段差がある場合も


自動車の通行ができない敷地で新たに家を建てたり建て替えたりする場合でも、建築確認を受けることは可能です。都市計画区域内などでは「敷地が道路に2m以上接していること」が建築の際の条件となっていますが、この場合の道路とは「建築基準法で認められた道路」のことです。そして、建築基準法による道路の規定において「自動車が通行できるか否か」が明確には問われていないのです(位置指定道路の指定基準を除く)。

  ※ 自治体による開発基準や開発指導要綱などによって「階段状の道路」が原則として禁止されている場合もあります。

階段状の道路

階段状の公道もある


つまり、建築基準法で認められた道路でありさえすれば、敷地に接しているのが階段状の道路であっても、建築確認は支障なく受けられることになります。また、建築基準法上の道路には該当しない場合でも、43条ただし書きの規定を適用することによって建築確認を受けられるケースは比較的多いでしょう。

階段状の道路

比較的ゆるやかな傾斜でも階段状になっていることがある


建築確認を受けることができ、問題なく家を建てられるとしても、このような敷地は周辺の平坦地の敷地よりも価格はそれなりに安くなるのが通例です。家の購入予算が少ないときなどに、このような敷地を検討してみることも一つの選択肢でしょう。しかし、建物の新築工事あるいは古家の解体工事のときに、関係車両や重機なども現場の敷地に直接乗り入れることができません。そのために工事費用が割高になることも十分に考えておくことが必要です。

階段状の道路

車の通行を可能にした階段状の道路も


また、日常生活においても自分自身や家族が自動車を使えない(家の前で乗り降りをしたり、家まで荷物を運んだりすることができない)ばかりでなく、階段の形状によっては自転車や原付バイク、オートバイなども使えないことを考えなければなりません。また、非常時に救急車を呼んだとき、家のすぐ近くまで来てもらうことができない場合もあるでしょう。

階段状の道路

急な階段状の道路では、毎日の上り下りがきついことも


さらに、階段状の道路は一般的に傾斜が急ですから、自分自身や家族が高齢になったときや病気になったとき、あるいは足腰を痛めたときのことなども視野に入れて、対処が可能な敷地かどうかを検討してみなければなりません。

階段状の道路

途中の一部分だけが階段状になっている場合は何らかの理由が…


長い階段状の道路や坂道を上った先にある家は、見晴らしが良く日当たりも申し分がないケースも多いですけどね。

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