長所が盛りだくさん!隠れた傑作生地

アルデックス シルキーパウダースーツ

シルキーパウダーの生地で仕立てたアルデックス製スーツ。ジャケットやパンツのみのオーダーもできます。 Photo:石井幸久

今回はちょっとユニークな生地を紹介します。SILKY POWDER(商標登録済)という生地で、スーツ、ジャケット、パンツ地として理想的なんです。今から15年ほど前に日本のテキスタイルメーカーが開発した天然繊維(ウール100%)の生地で、開発までに5年ほどかかったそうです。

ウールの繊維の1本1本の表面に、シルクフィブロインパウダー(天然タンパク質)を加水分解させてコーティングすることで、多くの長所を生み出しています。ちなみにシルクパウダーを使っていても表記はウール100%だそうです。

■特徴
・ウールのもつ特徴にシルクの光沢感をプラス
・ウールの吸湿性、吸水性をさらに高める効果がある
・保湿効果がある
・静電気が起こりにくい
・抗アレルゲン性があり、皮膚障害の防止に優れている
・UVカット効果がある
・コーティングは半永久的で、クリーニングに出してもOK

そして何といっても、スーツに仕立てたときに、美しいドレープが出て、シワになりにくく、復元力に優れていることです。実際に生地に触ってみるとサラサラしていて、弾力性がありました。

アルデックス シルキーパウダースーツ

アルデックスの自社縫製工場によるパターンオーダースーツです。業界トップクラスの縫製技術とシルキーパウダーの生地によって美しいドレープが生まれます

この生地に最初に目をつけたのは残念ながら日本のブランドではなく、ニューヨークの高級紳士服専門店とイタリアの有名ブランドでした。

出張の多いエグゼクティブの間で、機内でもシワになりにくいという理由から人気が出たのでしょう。実際に東南アジア圏の高温多湿の国に出張する人がリピーターになっていたそうです。現在でもこのお店ではSILKY POWDER(シルキーパウダー)の生地を使ったスーツがあるそうです。イタリアのブランドは美しいドレープが売りなので、まさに最適な生地だったということです。

この生地は量産できないため、価格もちょっと高め。日本製の生地=リーズナブルという悪しき考えからか、日本のアパレルメーカーも使用しませんでした。結果的に国内では知名度が低いわけです。


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