東京の守り神
武蔵御嶽神社は、東京都青梅市の御嶽山の山頂付近にある、たいへん古い歴史を持つ神社です。御嶽山は標高929m。古くから山岳信仰の場となっており、昨今では、パワースポット詣で+山歩きが目的の「山ガール」たちにも注目されています。すべて徒歩で登るのはなかなかたいへんですが、山頂近くまではケーブルカーもあるので、完全な登山の装備がなくとも、スニーカーなどで比較的気軽に行けます。
山頂近くのケーブル駅付近や、御嶽神社境内からの眺めも最高です。何しろ東京都のもっとも奥の標高が高い場所にあるので、東京だけでなく、江の島から千葉あたりまでの風景を、手に取るように眺められるのです。都庁など目印になる高いビルを見つければ、自分の家がどのあたりかもわかります。運がよければ、スカイツリーもきれいに見えます。
御嶽神社では、毎朝、東京全体に向かってのお祓いが行われます。つまり御嶽神社は、東京全体の守り神でもあるのです。
御嶽神社ってどんな神社?
社伝によれば、創建は、何と紀元前91年。奈良時代には、行基という僧侶が蔵王権現という仏様を祀ったとされます。中世以降は、修験道の修行の場として栄えました。修験道とは、山にこもって修行をする山岳宗教で、神道、仏教、道教など、さまざまな宗教の要素が混じったものです。日本の仏教と神道は、神仏習合という形で一体となって発展してきた部分が多く、御嶽神社も、江戸時代までは寺でもあったのです。江戸時代はじめには、それまで南向きだった社殿が東向きに改められました。東とは東京湾の方向です。このことにより、御嶽神社は、江戸の町の西の護りをかためる存在となったのです。そして明治になり、神仏分離令が出されたことで仏教的要素と切り離され、こちらは武蔵御嶽神社となりました。
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