寺・神社/東京の寺・神社

御嶽神社で初公開の「おいぬさま」を拝もう

東京都青梅市にある武蔵御嶽神社では、2011年の5月に、開山以来はじめての神様の像のご開扉が行われ、一般の人も、直接拝むことができます。この神様は大口真神と呼ばれる狼の姿をしています。この機会に、東京とは思えないほど自然がいっぱいの御嶽山に出かけてみませんか?

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

東京の守り神

森

神秘的なパワーに満ちた御嶽山の森

武蔵御嶽神社は、東京都青梅市の御嶽山の山頂付近にある、たいへん古い歴史を持つ神社です。御嶽山は標高929m。古くから山岳信仰の場となっており、昨今では、パワースポット詣で+山歩きが目的の「山ガール」たちにも注目されています。

すべて徒歩で登るのはなかなかたいへんですが、山頂近くまではケーブルカーもあるので、完全な登山の装備がなくとも、スニーカーなどで比較的気軽に行けます。

山頂近くのケーブル駅付近や、御嶽神社境内からの眺めも最高です。何しろ東京都のもっとも奥の標高が高い場所にあるので、東京だけでなく、江の島から千葉あたりまでの風景を、手に取るように眺められるのです。都庁など目印になる高いビルを見つければ、自分の家がどのあたりかもわかります。運がよければ、スカイツリーもきれいに見えます。
スカイツリー

ケーブル駅付近からの東京の眺め。右側のビル群の中に東京都庁。左側にひときわ高く見えるのが、もちろんスカイツリーです。

御嶽神社では、毎朝、東京全体に向かってのお祓いが行われます。つまり御嶽神社は、東京全体の守り神でもあるのです。

御嶽神社ってどんな神社?

社伝によれば、創建は、何と紀元前91年。奈良時代には、行基という僧侶が蔵王権現という仏様を祀ったとされます。中世以降は、修験道の修行の場として栄えました。修験道とは、山にこもって修行をする山岳宗教で、神道、仏教、道教など、さまざまな宗教の要素が混じったものです。日本の仏教と神道は、神仏習合という形で一体となって発展してきた部分が多く、御嶽神社も、江戸時代までは寺でもあったのです。
ご本社

御嶽神社のご本社

江戸時代はじめには、それまで南向きだった社殿が東向きに改められました。東とは東京湾の方向です。このことにより、御嶽神社は、江戸の町の西の護りをかためる存在となったのです。そして明治になり、神仏分離令が出されたことで仏教的要素と切り離され、こちらは武蔵御嶽神社となりました。

次のページは、御岳山の開山以来はじめての特別なお祭のご案内です。
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