白血病の治療・予後
白血病の治療法は、抗がん剤を中心にした化学療法です。抗がん剤では白血病細胞を殺すことができますが、正常な細胞にも影響を与えてしまいます。特に細胞がよく増えている場所に影響するため、髪、骨髄、腸への影響が大きく、脱毛、白血球の減少、貧血、血小板の減少、吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振などが起きます。特につらいのは吐き気ですが、最近は、吐き気を抑える薬が出ています。私が医師になったころと比べても、新薬として良い吐き気止めが出てきたので、副作用の程度もかなり改善されています。抗がん剤は何種類かを組み合わせて使い、化学療法による成績もよくなっています。
白血病が治る確率は、病気の進行度、白血病細胞の種類、遺伝子異常の有無によって変わってきますが、60~80%程度です。
脳などへ白血細胞が侵入している可能性があるので、髄液の中に抗がん剤を注入したり、放射線療法を行ったりします。
骨髄移植・臍帯血移植・末梢血造血幹細胞移植
骨髄移植が必要になりますので、ドナー登録しましょう
白血球の型があう人の骨髄液を採取し、血管から入れる方法です。一旦、骨髄を空にするので、感染リスクを避けるために、移植が成功するまでは、無菌室という細菌やウイルスがいない環境で過ごさなければなりません。
他人の骨髄以外に、臍帯血を使う臍帯血移植、造血させる物質を入れて造血幹細胞を増やして末梢血から採取する末梢血造血幹細胞移植があります。
最後のページではかなり専門的ですが、白血病の分類について解説します。白血病の分類は、その種類によって異なります。リンパ性白血病の方が、骨髄性白血病より治療に反応しやすいと言われています。