子供の病気/その他の子供に多い病気

喘息でも、スキーなどの冬の運動大丈夫?

今年の冬は本当に寒く、スキー・スノーボードなどのウィンタースポーツには適しているようです。喘息の子供にとって、スキーなどはどのような影響があるのでしょうか。

執筆者:長尾 大志


スキーをするときの注意点

スキーの時は、運動と気温の面での注意が必要
スキーの時は、運動と気温の面での注意が必要
Q:うちの子供には喘息があるのですが、このたび 学校からスキー合宿に行くことになりました。行かせても大丈夫でしょうか。また、行くときの注意点があれば教えてください。お願いします。

A:お答えします。スキーなどの冬のスポーツをする際には、普段と違う点に注意する必要があります。たとえば、「アトピーでもスキーは大丈夫?」の記事を見ると、アトピーの子供にとってスキーで一番注意が必要なのは「紫外線」です。スキー場は、空気が薄くて大気汚染が少ないために紫外線の量が非常に増えているのです。

それでは喘息の子供に取ってはどうでしょうか。注意点は大きく2つあります。1つめは喘息の子供が運動する際の注意点です。主に下のようなことに気をつけましょう。
  • 普段からのコントロールをしっかりつける
  • 主治医にスキーに行くことを伝えて指導を受ける
  • ウオーミングアップを充分行う
  • 休憩をしっかり取る

スキー場の気候

運動という面以外に、気候の面でも注意する必要があります。乾燥した、冷たい空気は気管支に刺激を与えて発作が起こりやすくなります。

また、標高が高いと気圧が低くなります。気圧が低いと気管支のむくみが強くなり、ぜんそく発作がでやすくなります。天気の悪い日(低気圧が近づいている日)に調子が悪いのと同じ理屈です。

今回スキーに行くにあたっては、室内での暖房はスキー場の宿泊施設ですから問題ないと思います。付け加えるなら室内の加湿をしっかりすることをおすすめします。また、スキーをする際に冷気を吸わないようにスキー用のマスクをされるとよいと思います。

あとは定期的に使っている薬と、発作が起こったとき用の吸入の気管支拡張薬を持参されれば大丈夫だと思います。普段から発作が起きやすかったり、運動するとぜいぜいいうことがあるようなら、スキーを始める前に気管支拡張薬を吸入した方が良いかもしれません。主治医に確認しておきましょう。以上まとめると、
  • 防寒マスクなどで冷気を吸わないようにする
  • 運動中は鼻呼吸を心がける
  • 場合によっては運動前に気管支拡張薬を吸入する
このようなことに気をつけて、子供が楽しくスキーできるようサポートしてあげましょう。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。

<参考リンク先>
喘息の子供は運動してはいけないの?(記事)
アトピーでもスキーは大丈夫?(記事)
喘息クイズ(ぜんそく大事点ブログ)
喘息EBMガイドライン(日本アレルギー協会)
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