DSの時よりも、売れていない
DSの立ち上げと比べると、ちょっと苦戦している3DS。
誤解のないように申し上げておくと、3DSは立ち上がりに失敗した、売れなかった、というほど売れていないわけではありません。実は、むしろ堅調な立ち上がりと言えます。発売4週分、つまり約1ヶ月のデータでみると、3DSは約75万台。DSは約110万台だったので、単純に前ハードと比べるとイマイチ売れていないという感じです。
じゃあ、他のハードと比較するとどうか。例えば、PSPの発売1ヶ月間の販売台数というのは約45万台なんですね。据え置きハードはちょっと意味が変わってきますが参考に数字を出してみると、Wiiは約85万台、PS3は約20万台、Xbox 360は約10万台。数字で比較してみると、立ち上がりに関して、飛びぬけてはいないもののそれなりに売れているという印象なのがおわかりいただけるかと思います。
ただ、もっともっとたくさん売れると期待されていたことも事実です。DSは、子供達から圧倒的な支持があったゲームボーイアドバンスのブランドを捨てて、全く新しい商品として登場しました。それが日本中に認知されて、今度はDSブランドを築いた上での後継機発売です。少なくとも立ち上がりに関しては、出荷さえ安定していればDSよりも楽に売れていくだろうと、そう考えられていたんですね。
では何故、期待通りに売れていないのか。分かりやすい話として価格の問題があります。DSよりも10,000円高い25,000円という価格設定は1つ大きな要素でしょう。しかし、それ以外に大きく3つの原因があり、それらが非常に悪い形で連鎖して今の状態になっていると考えられます。まず、1つ1つの原因について個別にお話したいと思います。
発売時期
もし、年末商戦に間に合っていれば、クリスマスプレゼントの候補にあがっていたことでしょう。
マーケティング的な視点からすると、3DSは年末商戦に発売されるのが妥当な展開でした。例えば、ポケットモンスターブラック・ホワイトは幻のポケモンが手に入れられるキャンペーンを発売1カ月限定で行うなどで早期購入を促していました。結果初週発売本数は約260万本を売りました。これは、2位と約100万本の差をつけたシリーズ最高記録なんですが、3DSを年末に発売しないのであれば、むしろゆっくり売った方がベターです。また、任天堂から発売された2010年末商戦のDSタイトルを見てみると、11月にスーパーホリダー、12月にマリオVS.ドンキーコング突撃!ミニランドの2本だけで、年末商戦としてはかなり寂しい感じです。
あたかも3DSの為に場所をあけてあったかのような状況だったんですが、発売は年末ではなく2011年2月26日になりました。開発や、製造の問題なのか、もともと2011年発売のストーリーだったのかは分かりませんが、任天堂が非常に強い力を発揮する年末商戦を逃したことで立ち上げで数をさばきにくくなったことは確かです。
続いて、発売タイトルや、地震の影響についてお話していきます。