VW(フォルクスワーゲン)/ティグアン

“ゴルフ流”でそつがないSUV、ティグアン

パーソナルカーとして一般化してきたコンパクトなクロスオーバーSUVクラスに、フォルクスワーゲンが投入したのがティグアン。全てが“ゴルフ流”でそつなくまとまっている。高速のクルージング性能などは正にゴルフ流で、国産同クラスの及ぶところではない。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

今さらゴルフじゃ、とお思いの方にピッタリの選択

フォルクスワーゲンティグアン

2008年に国内導入を果たしたコンパクトなクロスオーバーSUV。2010年に従来の6速DSGから7速DSGに変更され、グレード体系もベーシックモデルとなるライストン(385万円)とエアロパーツを備えたRライン(421万円)となっている

フォルクスワーゲンティグアン

最上級グレードのRラインはフォルクスワーゲンのプレミアムスポーツモデルとなるRシリーズの内外装パーツを装備したスポーティなドレスアップモデル。スポーツサスペンションなども備える

比較的小型のクロスオーバーSUVは、パーソナルカーの主力となりえるポテンシャルがあるし、実際にそうなりつつある。ほどよい長さ、高いアイポイント、それらの恩恵としての取り回しのよさ、オールラウンダーなイメージ、ワゴンとは言わないまでも積載性、などなど、日常のパートナーとしての美点は多い。

それゆえ、小型車文化が根強く、寒冷な地の多いヨーロッパではとりわけこのカテゴリーに対するニーズが大きく、近年、続々と新しいモデルが、このクラスに参入してきた。

フォルクスワーゲンという、“フツウのクルマをフツウに届ける”ブランドが、ミッドコンパクトサイズのSUV、ティグアンをマーケットに投入したこともまた、この手のクルマが一般化してきたことの証明にほかならない。

VWティグアン

両グレード共にファブリックのスポーツシートを備える(Rラインは専用)。後席は6:4分割可倒式を採用、ラゲッジ容量は470~1510リッター

ほかのフォルクスワーゲンモデルと同様に、飛び抜けて個性的なモデルとは言い難い。その反面、すべてが“ゴルフ流”でそつなくまとまっている。フォルクスワーゲンにしては珍しくインテリアに遊びがあって、そこだけにはクロスオーバーSUVというカテゴリーの若々しさを感じた。

それほど深く考えず、ただカタチが気に入って買ったとしても、失敗や後悔がない。それがフォルクスワーゲンというブランドの懐の深さであり、美点だ。いちどクロスオーバーSUVを試してみたい、と思っていた人にも、オススメの1台。特に、長距離移動までこなしたいという人には、国産車よりもコチラを勧める。高速のクルージング性能は正にゴルフ流で、国産同クラスのSUVの及ぶところではないからだ。

VWティグアン

最高出力170psを発生する2リッター直噴ターボエンジンを搭載。10・15モード燃費は11.6Km/lとなる

フォルクスワーゲンでガイシャを始めたいけれど、今さらゴルフじゃ面白みに欠ける、なんて思っている人にもピッタリの選択肢となるだろう。
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