スタイルだけではない、走りまでもが程よくスペシャル
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国内で約20年ぶりに復活した3ドアのスペシャリティモデル。最高出力160psを発生する1.4リッター直噴ターボ+スーパーチャージャーエンジンのTSI(348万円)と、200psの2リッター直噴ターボの2.0TSI(460万円)をラインナップ。スポーツモデルのR(515万円)も用意される
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全長4255mm×全幅1810mm×全高1420mmと、ゴルフと比べ全幅は20mm広く全高は65mm低いロー&ワイドなスタイルをもつ。2.0TSIにはサスペンションの減衰力を3段階に調節できるDCCが標準装備された
“スタイルと性能、価格のバランスがとれていること”と“同じブランドの4ドア車が大量に売れていること”である。前者については、それほど詳しい説明はいらないだろう。
シロッコについて言えば、カタチは見ての通りユニークで十二分にスペシャル、走りの方もゴルフ+αでかなりファン、価格もゴルフよりはっきりと、しかし何とか頑張れば出せそう思わせる程度に割高という、絶妙なバランスだ。
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2.0TSIはレザーシートを採用。パドルシフトやオーディオスイッチが付いたマルチファンクションステアリング、HDDナビ(RNS510)などが標準とされる。後席は可倒式の独立2座を採用、ラゲッジ容量は312~1006リッターを確保した
シロッコにはゴルフという、見比べる相手が既に沢山、街中を走っている。シロッコに乗っていれば、スペシャリティなモデルに乗っているという満足をきっと、いつでもどこでも感じていられることだろう。
先にも書いたけれども、シロッコはスタイルだけのクルマではない。中身=走りの方も、立派に程よくスペシャルである。
中でもシロッコRの走りはFF(前輪駆動)とは思えないほどに楽しい。とはいえ、フォルクスワーゲンなので、乗り手に対する限定などこれっぽっちもない。誰でも気軽に楽しめるが、ポロやゴルフと同様に、相当なクルマ通が試したとしても、満足できる内容になっている。その守備範囲の広さが凄いし、フォルクスワーゲンらしさでもある。