似合わない人を見つける方が難しい、そのスタンダード感覚
2009年に日本に登場した6世代目となるフォルクスワーゲンの基幹モデル。国内では最高出力105psの1.2リッター直噴ターボを搭載したトレンドライン(257万円)、122psの1.4リッター直噴ターボのコンフォートライン(278万円)、160psの1.4リッター直噴ターボ+スーパーチャージャーのハイライン(315万円)をラインナップ。スポーティモデルのGTI(368万円)とR(505万円)も用意する
トレンドラインの1.2リッターTSIエンジンは2バルブSOHC化によって軽量化とフリクションの軽減を実現。1.4リッターTSIエンジンより24.5kgも軽量化され、従来の1.8リッターNA(自然吸気)と同等のパフォーマンスを発揮する
大衆人気に支えられているという点で、このクラスは世の中の動きや関心に迎合する傾向が特にあるから、それを安全性と居住性の向上によるサイズアップ=最小限の要請、だけに抑えたゴルフは、なおさら貴重な存在だろう。
それゆえに、ゴルフはフォルクスワーゲンそのもので、強力なカテゴリースタンダードとして世界中で認められてきた。スタイルやインテリアなど、ことさらシンプルにその存在感をアピールできてしまうゴルフに対して、ライバル車(ルノーメガーヌやオペルアストラなど他の欧州ハッチバック車)は全く違うカタチを採らなければ対抗できないなんてところにも、ゴルフの強さのほどがみて取れる。
近年、フォルクスワーゲンはポロとゴルフの両輪で“みんなのためのクルマ”を提供し続けてきたわけだが、より多くのファミリィニーズに応えるという点で、ゴルフはいまだフォルクスワーゲンの大黒柱である。
ハッチバックモデルを軸に、ワゴンやSUV、オープンカー、そして日本ではミニバンまで、多彩なボディラインナップを誇る。基本的に、ゴルフシリーズさえあれば世の中のファミリィカーニーズにおいて過不足はないだろう。
その強烈なまでのスタンダード感覚は、およそ似合わない人を見つける方が難しいとさえ思えるほどだ。
フォルクスワーゲンのプレミアムスポーツモデルとなるRシリーズ。最高出力256psを発生する2リッター直噴ターボエンジンと6速DSGを搭載。専用内外装パーツはもちろん、専用チューンのサスペンションや4WD(4モーション)、DCC(アダプティブシャシーコントロール)などが備わる
堅実な走りには、安定/安心/信頼というイメージがぴったりで、実はそんなゴルフの乗り味こそフォルクスワーゲンのテイスト=“らしさ”であり、下はポロから上はトゥアレグまで、それはくっきり貫かれている。