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どうする遺影写真?生前準備?

咄嗟に準備する遺影写真。だから「モノクロ」「着せ替え」「ピンボケ」は避けられないものでした。しかしずっと長く手元に残るものだから、その人らしさにあふれた遺影写真を残しておきたいものです。最近は遺影写真専門の写真館やカメラマンが登場。遺影写真に対しての考え方が変わってきています。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

遺影写真は「その人らしく」

遺影写真

どうしても集合写真しか用意できない場合は、その中でもピントがあっていて、目の色がはっきりしているものを選びます

従来の遺影写真のイメージといえば、「モノクロ」「着せ替え」「ピンボケ」。「遺影に使用する写真を用意してください。」と葬儀社から言われたものの、突然のことで準備ができず、咄嗟に渡した写真は故人の顔が小指の爪の先ほどしかない団体集合写真。それを四つ切サイズに引き伸ばして背景を消すと、どんなに頑張って画像処理を行ったとしても、ピンボケは避けられない……ひと昔前までは、そんな遺影写真ばかりした。
遺影写真は故人を偲ぶ最強ツールであるはずなのに、その場しのぎで作られたものが、そのまま何年も家の中に飾られるのは残念な気がします。

先日、新宿駅近くの一角に一風変わったイベントが開かれていました。多くの人が足を止めている視線の先にあるのは「明るい遺影写真展」。そこにはワイングラスを片手にポーズをとっている人や、農作物を抱えて畑で微笑んでいる人など、その人らしい表情にあふれた遺影写真ばかり。

最近の遺影写真は、カラーが主流。額縁も黒一色ではなく、木目調やカラー額縁など種類が豊富になりました。黒服への着せ替えも「故人らしくない」理由で却下。背景もあえてそのまま使い、できるだけ自然な形の遺影写真にしたいと希望する人が増えています。

生前に準備する人が増えている

「イザというときにあわてないように、事前に葬儀について考えておきたい」という人が増え、近年葬儀についての関心が高まっていますが、同時に遺影写真への注目も高まっています。

巷では、生前に遺影写真を制作するサービスを行っている業者、写真館、カメラマンの活躍も目だってきました。外出できない人のために、また普段の表情が出せるようにと、自宅へ機材を持ち込んで出張撮影を請け負っているカメラマンもいます。「そうは言っても、遺影写真を作るのはやはり抵抗がある。」という人は、喜寿や米寿といったお祝い事や、家族の記念日を利用して撮影すると良いでしょう。

遺影写真の新たなサービス

遺影写真は紙焼きだけと思っていませんか?遺影にもデジタル化の波が波及し、液晶フレームも登場。中には場面に応じた写真が次々と映し出されるといった演出を行っている葬儀社もあるようです。

遺影写真の保管場所も要チェックです。遺影写真が活躍するのは本人が亡くなった後ですから、残された人に活用してもらうためには、あらかじめ保管場所などを告知しておく必要があります。エンディングノートに記しておく、預金通帳や生命保険など大切な書類と共に保管しておくなどの方法があります。依頼する葬儀社が決まっていれば、葬儀社に預けておくこともできます。また、事前に遺影を預けておくことができる「遺影バンク」といったサービスを利用するのもひとつの方法でしょう。

遺影写真の処分方法は


最近増えているのが、「先祖の遺影写真、飾るところがないのですがどうしたら良いでしょう」という相談。鴨居にズラリと先祖の写真を並べられるような住宅が少なくなり、写真の置き場に困っているという人が少なくありません。

まず考えられるのがアルバム等に整理する方法。データ化して保存しておく方法でも良いでしょう。
「とりあえずキャビネサイズに変更してアルバムに保存したけれど、四つ切サイズは保存しにくいので破棄したい」という意見もよく耳にします。可燃物として処分することはできますが、ただ無造作に捨ててしまうのは心苦しいもの。寺院に「お焚き上げ」供養などをしてもらってから処分したほうが良いでしょう。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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