BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

全てがほどよいクロスオーバー、戦略的価格のX1

ワゴンとクロスカントリーの“ワゴン寄り”クロスオーバーモデルながら、デザインによってしっかりSUVに見えるところが人気のX1。ほどよいサイズ、高さ、動力性能、価格。それでいてブランド力はピカイチとなれば、これから輸入車に乗ってみたいと思う人にはもってこいの選択だろう。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

363万円でも隅から隅までしっかりBMW

BMW X1

BMWがSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶXシリーズのエントリーモデル。2010年に登場、国内にはFRのsドライブ18i(363万円)と、4WDのXドライブ25i(480万円)が導入された。サイズは全長4470×全幅1800×全高1545mm

BMW X1

18iには最高出力150ps/最大トルク200Nmを発生する2リッター直4エンジンを搭載。25iには最高出力218ps/最大トルク280Nmを発生する3リッター直6エンジンを積む

ちょっと背が高い方が気分はラク。都会では特にそうだ。かといって、背の高いクルマだと何かと不便……。そんな人にとって、一見SUVぽいが、実際にはステーションワゴンとそれほど変わらないサイズのX1は、格好のアイテムとなるだろう。

ステーションワゴン以上、SUV以下。アメリカではグランドワゴンと呼ばれるカテゴリーにBMWが送り込んだのがX1である。カテゴリーを超えたキャラクターをもつモデルのことをクロスオーバービークルと呼ぶが、X1はさしずめ、ワゴンとクロスカントリーの“ワゴン寄り”クロスオーバー車。それでいて、しっかり“ごつい”SUVに見えてしまうところがBMWデザインのマジックであり、X1人気のヒミツだ(そのぶんラゲッジスペースはそこそこになってしまうが)。

BMW X1

高いアイポイントにより運転時に安心感をもたらし、乗降性も良好なセミコマンド・シート・ポジションはXモデルに共通の特徴

ベースは1シリーズ、ということは旧型3シリーズ。よって、走りに別段注文はない。最新モデルにしては、ちょっとハンドルが重いかな、という程度である。動力性能は必要にして十分。背がもっと高くてもフツウに走らせるワザがBMWにはあるから、この程度の高さを気持ちよく走らせることなど、朝飯前。フツウに1シリーズや3シリーズに乗るつもりでいればいい。

クロスオーバー車は、新しい乗用車のカタチである。ほどよいサイズ、ほどよい高さ、ほどよい動力性能、ほどよい価格。それでいて、ブランド力はピカイチとなれば、これから輸入車に乗ってみたいと思う人にはもってこいの選択だろう。

BMW X1

MTのようなシフト操作が可能なステップトロニックを備えた6ATを搭載。ブレーキエネルギー回生システム(25iに装着)などにより燃費を抑制、10・15モード燃費は18iが11.4km/l、25iが9.9km/lとなる

それでも、国産車とは違うフィーリングが、そこかしこに用意されている。好き嫌いも分かれるはず。なぜなら個性がしっかりとあるからだ。
X1であっても、それは隅から隅までBMWなのだ。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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