2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生しました。まずは被災された方々に対して、深い哀悼とお悔やみ、お見舞いを申し上げます。今回の震災はマグニチュード9.0という地震の規模に加え、大津波を伴ったことで人命や財産、そして住宅に対する被害も膨大でした。この事実を教訓に私たちがどのような住宅づくりを目指せばいいのか、今回考えてみたいと思います。

災害に備える住宅のあり方として、「防災住宅」という考え方があります。基本的には大きく、
  • 生活空間の確保
  • 水・食料の確保
  • エネルギーの確保
の3つの視点があります。これにより、災害後も自宅が維持され、通常の暮らしに近い生活をおくれるようにするものです。以下で詳しく見てみましょう。

まずは倒壊しないこと、次に二次災害を防ぐこと

生活空間の確保は、避難経路を確保し、被災しても速やかに生活の立て直せるようにすることが目的です。まず大切なのは、「倒壊しない」ということ。まずは、耐震性の高い建物を建てることが大前提となります。

地震後の本棚

地震後に本が散乱した本棚。一見、大変そうに見えるが、本棚が固定されているため倒れておらず、その点では安全であり、片づけも早くすむ

そして特に、近年よく言われているのが、度重なる地震に対しても耐えられるようにするということです。今回の大震災でも、大きめの余震が続いていますし、大地震は何も一度だけとは限りません。阪神淡路大震災以降、そうしたことも想定して、免震や制震といったシステムが開発されました(くわしくはこちら)。

次に、大切なのは家具や備品の転倒や散乱を防ぐこと。ケガや精神的なショックを軽減できますし、何より二次災害を防ぐことができます。例えば、本棚などの家具は、建築時に予め作り付けにしておくと良いですし、購入された家具や家電はホームセンターなどで売っている金具で固定しておくと安全です。

私は阪神淡路大震災の際、ボランティアとして現地にいたことがありますが、被災された方の中には避難所に入れず車の中で、毎日寝起きされる方もいらっしゃいました。仮に避難所に入っていたとしても、共同生活になりますから、ストレスを感じられる方も多かったようです。

また、家が残った被災者の方々は、生活再建のスピードが速かったようです。そうした方がボランティアとして、避難所などで活躍される様子も見てきました。「家がある」ということだけで、同じ被災者の方でも精神的な有り様は全く異なるようでした。

次のページでは「水・食料の確保」「エネルギーの確保」について見てみます。