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災害時にも安心を確保! 「防災住宅」について(2ページ目)

東日本大震災が発生しました。大津波による被害もあり未曾有の大災害となりましたが、これを受けて私たちが教訓とすべきことは何でしょうか。そこで「防災住宅」についてご紹介し、災害と住宅、暮らしのあり方について考えてみたいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

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まず生活の場が確保されていることが大前提ですが、次に水や食料、エネルギーが確保されていれば、災害後であっても日常に近い生活のクオリティを維持することができます。ライフラインの復旧や生活物資の流通が平常化するまでの苦労を減らす、これが「防災住宅」の重要なポイントです。

災害に対応した収納スペースを備え付ける

雨水タンク

庭におかれた雨水タンク。貯められた水は、通常時は草木の水やり用に使え、非常時にはトイレ用水などとして活用できる

今回の震災に限らず、大規模な災害が発生した場合、必ず問題になるのが水と食料の確保です。まず、非常食と水を通常時にストックできるスペースを設けておくと良いでしょう。例えば、家族の人数分3日くらいの食料と水があれば、被災後に慌てなくてすみます。

そこに携帯コンロや防災用具なども収納されていればわかりやすいですね。大切なことは、日常生活が災害時の暮らしと直結していること。そうすれば、「保存食が期限切れ」、「懐中電灯や電池がない」なんてことがなくなります。

もう一つ、災害時に困ることにトイレなど生活用水の確保があります。エコキュートなどヒートポンプ給湯器を採用していれば、非常時の断水時はタンク内の水を取り出し、トイレ洗浄水などに活用できます。また、庭に雨水タンクを設けておくのも良いですね。

太陽光発電と蓄電池でエネルギーを確保

太陽光発電システムと家庭用蓄電池を組み合わせることで、停電時であっ
太陽光発電システム

近年、普及が進んでいる太陽光発電システム。環境への優しさや経済性に注目されるが、実は防災アイテムでもある

ても太陽光発電の余剰電力を蓄電池に蓄え、非常電源として使用することができます。太陽光発電は天候により発電量が左右され、夜間に電気が使用できないといった問題がありますが、蓄電池があればある程度その問題も解決されます。

消費電力が少ないLED照明などを取り入れておくことで、夜間の停電時でも蓄電池の電力消費を最小限にしながら、継続した生活をすることができます。なお、蓄電池として電気自動車やハイブリッドカーを活用することも、最近の住宅づくりでは考えられています。

もうおわかりとは思いますが、要するに「防災住宅」の基本設備は、太陽光発電システム+オール電化+蓄電池となります。要するに、災害時のエネルギーとしてはガスより電気の方が有利なのです。

注目されるのが復旧のスピード。一般的に都市ガスの復旧には数ヶ月必要とされますが、電気は週単位でできるといわれています。ここまで「防災住宅」のアウトラインをご紹介してきました。次のページでは、東北関東大震災の特殊性を踏まえ、住宅と防災のあり方を考えたいと思います。
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