災害に備える住宅のあり方として、「防災住宅」という考え方があります。基本的には大きく、
- 生活空間の確保
- 水・食料の確保
- エネルギーの確保
まずは倒壊しないこと、次に二次災害を防ぐこと
生活空間の確保は、避難経路を確保し、被災しても速やかに生活の立て直せるようにすることが目的です。まず大切なのは、「倒壊しない」ということ。まずは、耐震性の高い建物を建てることが大前提となります。地震後に本が散乱した本棚。一見、大変そうに見えるが、本棚が固定されているため倒れておらず、その点では安全であり、片づけも早くすむ
次に、大切なのは家具や備品の転倒や散乱を防ぐこと。ケガや精神的なショックを軽減できますし、何より二次災害を防ぐことができます。例えば、本棚などの家具は、建築時に予め作り付けにしておくと良いですし、購入された家具や家電はホームセンターなどで売っている金具で固定しておくと安全です。
私は阪神淡路大震災の際、ボランティアとして現地にいたことがありますが、被災された方の中には避難所に入れず車の中で、毎日寝起きされる方もいらっしゃいました。仮に避難所に入っていたとしても、共同生活になりますから、ストレスを感じられる方も多かったようです。
また、家が残った被災者の方々は、生活再建のスピードが速かったようです。そうした方がボランティアとして、避難所などで活躍される様子も見てきました。「家がある」ということだけで、同じ被災者の方でも精神的な有り様は全く異なるようでした。
次のページでは「水・食料の確保」「エネルギーの確保」について見てみます。