“新商品”という名の1980年代復刻版
アンティーク本のような「エクスクルーシブ」カタログ
具体的には、第一に、16世紀のイギリス王朝の建築潮流を汲み様式で、19世紀アメリカで流行した「チューダーヒルズ」タイプ。第二に、18世紀のアメリカ植民地時代の流れを汲む「コロニアル'80」タイプ、20世紀初頭アメリカのシカゴ郊外や中西部都市で普及したプレーリー(草原)調「ハートレー」タイプの3タイプ。いずれも、アメリカの古い映画に出てくるような、瀟洒でいかにも輸入住宅的な外観デザインだ。
そこに、三井ホームならではの新しいデザイン解釈と、現代テクノロジー「ウェルハーモニー(トータル空調システム+太陽光発電システム)」、室内に熱がこもらないオリジナル高性能屋根断熱パネル「ダブルシードパネル」などを搭載した、「古きよきデザインと最新性能」の2つが享受できる商品だ。
シンプルモダン全盛の揺り戻しか?
1985年チューダーヒルズ調施工事例を載せ、古くならないデザインの強さを訴求
同社関係者によると、今回のエクスクルーシブ開発の背景には、社内から『三井ホームの原点である、三井ホームらしい新商品を』という根強い声があったという。これは筆者の見解だが、かつてはクラシカルな輸入住宅らしいデザインをメインとしていた同社も、昨今の都市型シンプルモダン潮流のなかで、白を基調としたシンプルモダンな外観・内装インテリアデザインが多くなってきていた。
エクスクルーシブの小冊子には、伝統クラシックインテリア読本も
「輸入住宅は流行りすたりがあっても、常に一定の根強い固定ファンがいます。シンプルモダンが主流となっている現代でも、洋風トラディッショナルスタイルは多くのお客様に愛され続け、暮らし継がれています。ビールやクルマでも復刻版が静かなブームになっている今、住宅で復刻版ができるのは、当社の輸入住宅らしい古くならないデザインならではという強みもあります。30年、50年経った家が全く古くない。逆に価値がある。これこそが当社のブランド原点であり、現在掲げている企業テーマ“暮らし継がれる家”にもつながると考えています」(同社関係者)
200年・300年経ったビンテージ住宅が新築価格の何十倍の価格で取引される北米。そこで生まれた同社の輸入住宅ならではの原点であり、それが強みになっているということかもしれない。では輸入住宅メーカー以外ではどうだろうか?