ライバルのプリウスと比べ、お買い得になっている
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はホンダインサイト(現行)を取り上げたいと思います。私はよくここで「コンパクトカーとハイブリッドカーは人気が高い、だから中古車価格も高い」という趣旨の話をしてきました。もちろん、今もそれは変わっていません。それどころか今は中東情勢が不安定なので、2年5ヵ月ぶりのガソリン高です。原稿執筆時点でレギュラーが145円(店頭価格の全国平均)ですから、本来はハイブリッドカー人気になっておかしくないのに、「おいしい」とはどういうことなのでしょうか?すぐれた燃費を実現するためには、ハイブリッドシステムの性能だけではなく、このような独特のフォルムやエアロ、ボディ下まで空力性能が徹底的に追求されています。ちなみにCd値(空気抵抗係数)はポルシェ911カレラ(現行)の0.29をしのぐ0.28
結局、その3ヵ月後に登場したトヨタプリウス(現行)は、200万円を切れませんでしたからね。代わりに最高で38.0km/Lなんていう数字をたたき出しましたけれど。ちなみにこの38.0km/Lは最廉価グレードのLのみで、見えない部分を省いたり簡易化した低燃費仕様です。他のグレードは35.5km/L。これでも十分すごいですけれど。
燃料タンクを後席下に、ハイブリッドシステムの中核を担うインテリジェントパワーユニットを後輪付近に配して、後席とラゲージ空間を確保。とはいえ、後席は173cmの私が座るとギリギリ天井に頭が付かないという感じで「広い!」とまではいきません
ではもう少し、2009年式で修復歴なし、走行距離が同程度と条件を絞って比較してみましょう。プリウスで見つけたのは175万円で走行距離1.2万kmのL、インサイトは119.8万円で1.1万kmのG。ほら、約55万円も違うのです。おいしいハイブリッドカーでしょ? いずれも最廉価グレードですが新車時価格は、プリウスのLが205万円、インサイトのGが189万円。つまり16万円の差額が55万円にまで広がっているのです。
こうした理由の1つには、プリウスのほうが人気だということがもちろんあります。もう1つは、以前取り上げたフィットでも述べたように、フィットハイブリッドの登場が影響していると考えられます。何しろ新車で159万円ですからね。中古車がそれ以上の値をつけるとなると、それなりの理由が必要になってきます。サイズはインサイトのほうが大きいゆえ、人や荷物を考えると何かと便利でしょうが、ハイブリッドシステムは同じですから。
次ページで、人や荷物を積む以外にフィットハイブリッドより勝る部分があるのか、さらにライバルのプリウスと比べてどうなのか、見ていきましょう。