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健康被害の心配は不要? 電磁波の影響(3ページ目)

パソコンやIHクッキングヒーターを始め、多くの家電が発している電磁波。そもそも電磁波とは何でしょうか。電磁波の身体への影響、電磁波過敏症の症状などを解説しながら、電磁波が危険なのか心配不要のものなのかを検証していきます。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド


私たちは生まれたときから電磁波の世界にいる

IHクッキングヒーターは電磁波が出ます

IHクッキングヒーターは電磁波が出ます

電磁波が心配ないと言われても、やはりここまでの歴史から考えると人工的な電磁波の存在は新しいものです。証明できない部分がある限り、どうしても電磁波が心配だという人もいるでしょう。

追い詰めるような言い方はしたくありませんが、現代社会は屋内も屋外も電磁波で溢れています。「電波がある/ない」という話では、無線PCや携帯電話をイメージする人が多いかもしれませんが、全ての電化製品は使用時は電磁波を発しているので、電気が流れる状態があれば電磁波(電波)が出されていると考えて問題ありません。

電子レンジは電波が漏れない構造になっているため、故障しない限り機器の外で熱作用を起こすことはありませんが、掃除機、冷蔵庫、スピーカーなど、ごく日常的に使っている電化製品からも電磁波は漏れています。IHクッキングヒーターは磁場を作る機器なので使用中は当然ですが電磁波も発生しています。ドライヤー、電気剃刀、ヘッドフォンなど、電波とは関係なさそうなものも電磁波を出しています。もちろん、この記事が今表示されているパソコンも例外ではありません。さらに、家庭内無線LANや公衆無線LANが張り巡らされているため、パソコンの電波が受信できる環境では、人体も無線LANの電波を浴びていることになります。また、電線はアンテナの働きもあるので、家庭内の電子機器の電源を全て切っていても電波はあります。現代社会でまったく電波が確実にない場所は、ニュートリノの検出装置がある研究機関くらいでしょう。

電磁波エプロン、対策グッズ……電磁波を減らす方法は?

一時期、一部で流行した電磁波エプロンがあります。電磁波の発生源が複数あった場合、電磁波が周囲に反射して回りこむ回析を考えると、宇宙服のように全身を覆わないと効果がないのは明白です、

電磁波は二次元的に広がると計算すると距離の二乗で減衰します。減衰率は物質により異なります。出力は小さくても体に密着して使う機器は影響があるかもしれないと考えられているからです。

では、電磁波を0にするのは諦めるとして、減らすことはできるのでしょうか? 高血圧の場合は、摂取する塩分を0にするのではなく適度に減塩します。同様に、減電波する方法を考えてみましょう。テレビの予備電源を寝ている間は切るのは可能ですね。洗髪後にドライヤーは使わずに自然乾燥。電気髭反りは使わない。冷蔵庫からの出し入れは手短に行なってモーターが回る時間を減らす……。

少し出費するのであれば、携帯で電話する時はヘッドレストを使って直に耳に当てないようにする。一挙に替えると凄い出費になりますが電球をLEDに替える。音楽を聞くのにはヘッドフォンではなくて防磁型スピーカーで聞くようにする。これらの方法をすれば多少なりとも家庭内の電磁波を減らすことは可能です。

人体からも出ている電磁波と自然につきあう

色々な方向から電磁波について解説しましたが、これだけ多くの電磁波を日常的に浴び続けていても、ほとんどの人は毎日を健康に過ごしています。この事実をまずは理解すべきです。

また、電磁波に対しては電磁波で対抗するという発想の転換をすることもできます。血液はイオン化した液体。血球表面も陰性に荷電しています。血液が移動すれば非常に微弱ですが電磁波が生まれます。心拍数が多い時は通常よりも多い電磁波を作っていることになります。

電気ウナギには遠く及びませんが、人間も筋肉、心筋、骨格筋から電流を作り出しているのです。心電図を取る時には筋肉から電流が混入しますし、筋肉の病気の場合は電極を筋肉に刺して筋電図の検査を行います。ウォーキングやストレッチを始め、生体が運動を行うと電磁波の量は増えます。

電磁波がある環境が現代人にとっての自然な環境です。内部の電磁波が多い状態は外部からの電磁波の影響を受けにくい考え方を転換して生きていきましょう。
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