大阪最難関女子校、四天王寺中学
四天王寺学園は1922年、聖徳太子1300年御忌記念事業として天王寺高等女子校が創設されたことに始まる仏教系の女子校です。聖徳太子の精神を具現化すべく、校訓に「和を似て貴しとなす」を掲げ、文武両道の教育が魅力となっています。四天王寺中学は学制改革に伴い、1947年に設立されました。大阪にある女子校でトップの進学校であり、京都大学、国公立大学医学部をはじめ、関西有数の合格実績を誇っています。四天王寺中学の主な大学進学実績(2010年度実績)を見てみると、東京大学2名、京都大学40名、大阪大学34名、神戸大学33名の合格者を出しており、公立高校が比較的強い大阪府において屈指の進学校として存在感を示しています。
高い大学進学実績を支える教育サポート体制
関西を代表する女子校といえば、四天王寺中学の他には神戸女学院中学(兵庫県)があげられますが、両校の校風には大きな違いがあります。神戸女学院中学が生徒の自主性を尊重する学校であるのに対して、四天王寺中学は「人間は『教えられるべき存在』であり、『躾けられるべき存在』である。かりそめにも放任されてはならない」(抜粋版)の教育理念からも想像できるように、学習指導・人間教育の両面において充実した教育を行っています。
たとえば、学習進度や宿題量は他最難関中学と比べても引けをとらない量ですが、その学習プログラムに生徒がついてこれるよう学校は万全のバックアップ体制。定期テスト以外に頻繁に小テストが実施され、生徒は学習習熟度を常に把握でき、苦手分野については休憩時間や放課後に質問をすることによって解消することができます。
長期休暇には特別授業が実施されたり、課される宿題量も非常に多く大変ですが、カリキュラムをこなしていけば難関国立大学に現役合格するだけの学力は身につきます。
ちなみに、女子校といえば華やかなイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、多くの学校では身嗜み(服装や髪型)に関する校則が定められていて、その遵守度合いは学校によって異なります。四天王寺中学は身嗜みに関する指導が徹底されており、保護者にとって人間教育面でも安心できる学校として評判。
校門に入ると慈母観音像があり、生徒や教員が登下校の際、一礼をするのがルールとなっています。こういった仏教の精神が、人間教育面での基盤となっているのです。
人間性を磨く各種クラブ活動や学校行事
文武両道の教育はクラブ活動面でも成果をあげています。オリンピックはもちろん、数々の大会でメダリストを輩出し、優れた選手を輩出し続けています。この成果の背景にあるのは、特技・芸文コースの存在。
当然、一般の生徒に向けてもクラブ活動を積極的に推奨していて、行事への参加も勧められます。毎年3月に開催される「創作ダンス発表会」は、中学・高校ともに生徒自身がつくる振り付けダンスを披露することでも有名。
豊かな人間性を形成してほしいという学校の願いが、聖徳太子の和の心との調和をもって、優しさや信念を持った女性育成へと繋がっているのです。